研究課題/領域番号 |
01571280
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
稲岡 文昭 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
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研究分担者 |
村瀬 智子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 前講師 (80210037)
濱田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 兼任講師 (10208580)
樋口 康子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50198991)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 看護教育 / 人間関係 / 効果測定 / 発言内容 / 分析基準表 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)人間関係を客観的・全体論的に分析できる「発言内容分析基準表」を開発すること、(2)その基準表が、次に述べるような演習の教育効果を測定する尺度としての有効性を検証すること、である。その演習の課題は、看護の基盤となる人間関係の諸理論を実践可能な形で学ぶことである。具体的な研究方法は以下の通りである。研究対象者は、人間関係に関する初学者群とエキスパート群の2群とした。初学者群は、看護系大学1年生30名(10名編成、3グループ)、エキスパート群は、看護婦として3年以上の臨床経験があり、人間関係論を再度学習する研修生45名(15名編成、3グループ)とした。これらのグループの演習過程を継続的にテープレコーダーを用いて記録し、データ化した。先に、開発した基準表を用いて4名の研究者が個別にデータ分析を行い、その分析結果け照合した。その結果、対象としたグループの演習過程における発言内容のすべてをもれなく分析できることが明らかになった。さらに、総発言回数に対する発言回数の比率を各演習毎に求め、図表に整理してみると、人間関係の広がりや深まり、自己認知や他者認知のレベルの変化過程を視覚的に捉えることが可能になった。これをもとに、初学者群とエキスパート群の演習過程を比較してみると、次のことが明らかになった。(1)いずれのグループも、発言内容の時制は、演習を重ねる毎に「日頃、又は、過去」から「今、ここで」という現時点への焦点化傾向が認められた。(2)人間関係における自己認知や他者認知の過程は、「部分的から全体論的へ」、「主観的から客観的へ」、「抽象的から具体的へ」と演習を重ねるに従って広がりや深まりが認められた。(3)エキスパート群の方が、その広がり方がより広く、深まり方がより深いことが認められた。以上により、本研究で開発した基準表が、上記の演習の教育効果を有効に分析できることが明らかになった。
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