平成元年度においては、(1)逆磁場配位(FRC)での回転機構の解明、(2)モ-メンタム源のある時のヘリカル系プラズマの回転方程式の確立と高エネルギ-イオン存在下での径電界決定、の2つのテ-マを研究目標とした。(1)に関しては、定常プラズマ維持のためFRCに中性粒子を入射し電流駒駆動を行った時のプラズマの回転方程式(角運動量保存の式)と輸送の式を導出した。イオンの慣性項を考慮することにより、回転はモ-メンタム源(ベ-タトロン効果も考えた高速イオン・ビ-ム)と粘性のみでなく、徑方向のイオンの拡散にも依存することを明らかにした。また回転に伴う回転不安定性、4重極場と回転の関係も明らかにし、ブ-トストラップ効果と伴せて、FRC定常維持の問題を大きく発展させる事ができた。この知見は(2)の問題の解明に役立ち、ヘリカル系プラズマにモ-メンタム源(NBI等による高速イオンの存性)がある時の回転、即ち径電界決定の式を得る事ができた。さらにICRF少数イオン加熱の軌道/モンテ・カルロ・コ-ドを作成し。、これにより、ロスコ-ンによる高速イオンの粒子束Γfを計算し、又バルクイオンと電子の粒子束Γi、Γeはヘリカルプラズマ輸送コ-ドから計算し、徑電界を決定するプログラム・パッケ-ジを作成した。その結果、イオン・ル-トでは、高速イオンの存性により、より大きな負の電界(経方向内向き)が生じ輸送に大きな影響を与えることが判った。現在電子ル-トの場合を研究している。 上記2つのテ-マに関連して、トカマクとヘリカル系両方においてブ-トストラップ電流の研究を行なった。特にヘリカル系ブ-トストラップ電流の磁場配位依存性を明らかにした。またヘリカル系プラズマに中性粒子入射加熱を行なう時駆動されるビ-ム電流(大河電流)について1/V領域でのその表示式の定式化も行なった。現在プラズマ回転がビ-ム駆動電流に与える効果の定式化を行なっている。
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