研究概要 |
プログラム再利用技術に見られるように,標準的なプログラム部品を組み合わせてプログラム開発の効率化を目指すアプロ-チがある.このプログラム部品の組合せ方をプログラムとして実現すれば,仕様記述を入力にして自動的にプログラムを生成するプログラム自動生成の有効なアプロ-チとなる。プログラム自動生成の難しさの一つは、プログラムの柔軟性による適用の範囲の広がりにあるが、生成されるプログラムのアプリケ-ション 分野をある特定の分野に限ることにより,このようなメタプログラミングは現実的なものとなる.これにはパラメタライズされてジェネリックなプログラムにカスタマイズパラメ-タを入力する方法と,生成系とプログラム核を用意し仕様記述に従って生成系がプログラム核をカスタマイズする方法が考えられる. 本研究はこのようなメタプログラミング基礎の確立を目的としている。これには仕様記述のためのモデルを与えること,そのモデルに基づいてプログラム核やプログラム部品を検索すること,カスタマイズのためのプログラム変換を行なうことなどについての研究が必要である.本研究はこれまでの我々の研究を基に仕様化技術,部品合成技術の基礎となる理論,および技法を明らかにし,メタプログラミングの手法を確立することを目的として研究を行なった.特に,実用化に必要なカスタマイゼ-ションに伴って必要とされる最適化技法について研究を行なった. 本研究では仕様の再利用も含めた効率的な開発支援のために、プログラミングの過程をプログラム化するメタプログラムの要素技術を明らかにした。この特徴は仕様の類似性の利用、階層化技術と、部品化されたプログラムの組合せ、カスタマイズ機能である。これらにより実際的な規模のシステムの構築に利用でき、工学的にも意味の有るものである。
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