研究概要 |
本年は主に頭部MRI画像の3次元表示に主力を注ぎ、有望な手法を提案してその有効性を示した。その成果を概説すると共に今後の方針について述べる。従来の3次元表示法は臓器形状を0,1の2値を用いて表現しているが、MRI画像中の腫瘍等の臓器形状は境界が不明確であり、これを0,1で表現することは不自然である。そこで、臓器形状の境界の不明確さをそのままの状態で表現して3次元表示することが診断や手術の認識支援に一層有望と思われる。本年はこの3次元表示を実現するための手法を開発し、これらのソフトウェアをWorkstation上に作成してユ-ザ-が使用できるシステムを完成した。この手法は関心臓器形状の抽出とその形状の表示からなる。臓器抽出はファジィクラスタリングと臓器形状の空間的な連結性を用いて境界部の不明確な臓器形状を抽出する。抽出した臓器形状の表示はvolume rendering法を用いて実行する。この中で陰影付け式を改良して臓器形状の境界部の不明確さを強めたり弱めたりして対話的に診断や手術に有効な3次元表示を作成できるようにする。この手法を頭部MRI画像に適用して有効性を示した。この研究成果を電子情報通信学会や国際会議(ASAP90)に論文として投稿中である。専門新聞にも研究内容の紹介記事が一面に掲載された。今後、本3次元表示ソフトウェアをユ-ザ-と協議して使い易い実用的な3次元表示システムに進める。また、この表示システムを医学部と共同で高度な診断や手術を実現するためにX線CTやMRIから骨や血管の複合表示やセラミックによる頭蓋骨の設計について具体的に用いて検討する。それと共に知識工学的手法によるMRI画像の高度な画像認識の研究にも勢力を注いで行く予定である。
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