当初計画した方法に従って研究を遂行している。平成元年度は、次の方法を計画し、研究を行った。 1.日本語文に対して形態素解析、構文解析、意味解析といった自然言語処理を行う。これには、プログラミング言語としてLISP言語を用いているが、すでに大型計算機を用いた語彙機能文法(LFG)による意味解析システムは出来上がっており、それをパソコン上で実現させるために、ソフトウエアの移行をおこなっている段階である。今まで使用していたLISPシステムは処理速度が遅いのでもっと高水準で処理速度の速いものに換えて、システムの再構築を行っている。 2.仮名点字に点訳するための大規模の点字機械辞書を作成する。大容量のデ-タを記録するため光磁気ディスク装置を購入した。機械辞書は目標の半分は出来たので、次年度に完成させたい。 3.日本点字表記法の規則を計算機に組み込む。これはほぼ完成している。このシステムを使いやすくするため、C言語を用いたパソコン上に移植し、ソフトウエアの再構築を行っている。 4.自然言語処理を点訳規則と融合して仮名文を生成し、点訳する。仮名文を点訳するシステムは、すでに完成しているので仮名文の生成を可能にする。それには点字機械辞書にこの機能をもたせることにした。 5.仮名文より、音声出力装置を用いて文章の読み上げを試みる。漢字かな混じり文を読み上げてくれる音声出力システムが最近市販され、単純な文章はかなり精度よく読み上げてくれる。現在、文字放送の文字情報を抽出し、その読み上げ実験を行っている。
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