1.大阪府および奈良県を中心として、前方後円墳の形態に関するデ-タを調査し、デ-タベ-スに整理して格納するとともに、既存デ-タの再点検もあわせて実施し、統計的分析の基礎となるデ-タベ-スの信頼性を高めた。 2.主成分分析法の導入による古墳の形態変化傾向の分析を実施し、古墳の型式分類に有効な二つの指数を導出した。すなわち、型式変化指数および胴長指数の二つであって、これらによって、任意の古墳がどの型式に属するかを組識的に判定する手順の基礎が固められた。同時に、型式変化指数が古墳の年代との強い相関をもつことも明らかになった。 3.前方後円墳の復元を支援する対話型知識システム(エススパ-ト・システム)を設計・構築した。本システム(ESRAと命名)には、上記1の統計的な分析結果が際礎知識としてチャ-ト形式あるいは表形式で埋め込まれ、さらに代表的で標準的な古墳(指標古墳)を復元作業時に参照するための形状情報がフレ-ム形式で登録されている。 4.復元された古墳の3次元像化を目的とするコンピュ-タ・グラフィクス用の際本ソフトウェアを開発・整備した。すなわち、3次元映像化のための形状モデリング法およびレイトレ-シング法を本研究向きに整備し、実験的な映像化環境を確立した。さらに、いくつかの具体的な前方後円墳を題材とした復元実験を行い、それらの3次元映像化を試みた。
|