| 研究課題/領域番号 |
01580050
|
|---|
| 研究機関 | 北海道大学 |
|---|
研究代表者 |
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
|
|---|
| 研究分担者 |
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00137887)
黒田 登志雄 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70080447)
|
|---|
| キーワード | 疑似液体層 / 結晶粒界 / 偏光解析 / 氷結晶 / 表面融解 |
|---|
| 研究概要 |
結晶粒界における原子配列の乱れは温度上昇とともに激しくなり、結晶の融点近傍ではある厚みをもつ疑似液体層を生じる。本研究では、氷結晶を試料として粒界の疑似液体層の厚みと屈折率を精密に測定することにより、粒界の融解転移温度や疑似液体層の物理的性質を明らかにする。本年度、研究期間の第一年度として以下のことを実施した。
1.試料方位の微調整機構を組み込んだ試料容器を作製した。本容器を白色光源、分光光度計などとともに透過光型偏光解析装置に組み込み実験測定装置を完成した。
2.設備備品費で購入した物品及び現有の恒温冷却槽を組合せ、試料温度の精密調整を可能とした。この点は、研究が結晶の融点近傍において行われるため特に重要である。
3.氷単結晶から結晶軸方位の決まった試料を切り出し、これを一定の方位関係で融着して結晶粒界を含む試料を作製した。試料の方位の決定には、ネガティブクリスタル(氷試料に突きさした注射針を通して氷を蒸発させて作った六角柱状の穴)を利用して行う方法を新たに開発し、精度を従来より大幅に向上させた。
4.計算機シミュレ-ションにより、疑似液体層の特性を仮定してモデル計算を行い、測定結果の処理方法を確立した。
5.何点かの試料に対し予備的な測定を行い、本システムで十分観測が可能であることを確認した。次年度は、結合方位の異なる試料を用意し、系統的な測定を行うことで、粒界の融解転移の物理的特性を定量的に明らかにする。
6.結晶粒界の融解転移と密接な関係にある氷結晶と他物質(ガラスを使用)との界面での融解転移の研究も同時に進行しており、本研究の成果と比較検討することも次年度に予定している。
|
