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1989 年度 実績報告書

超イオン導電体の構造と動的挙動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01580051
研究機関茨城大学

研究代表者

佐久間 隆  茨城大学, 理学部, 助教授 (10114018)

キーワード超イオン導電体 / X線異常散乱 / 中性子非弾性散乱 / 銅カルコゲナイド
研究概要

平成元年度では、この研究課題の2つの柱,(1)X線異常散乱測定および(2)中性子散乱測定により得られたデ-タの解析を実行し、次のような新たな知見をえた。まずCu^2Seの超イオン導電相でのX線異常散乱測定から得られたデバイライン強度を、説明可能な新たなモデルを提出した。(T.Sakuma et al.Materials Transactions,JIM 30(1989)365)超イオン導電体の構造解析モデルの判定にX線異常散乱法が有効なことがわかった。一方Cu^2Seの中性子散乱でCuイオンによる低エネルギ-励起を観測した。(T.Sakuma and K.Shibata J.Phys.Soc.Jpn 58(1989)3061)他の超イオン導電体との比較から、エネルギ-の値はイオンの質量と関連することを見いだした。
X線異常散乱実験で得られたデ-タのうち、デバイラインおよび散漫散乱の両方を一括して解析しようと試みたが、散漫散乱はその解析法がまだ定着しているとはいえず(short range order parameters を導入する方法ではあまりにもパラメ-タ数が多くなる)、とりあえずデバイラインの解析のみを発表した。散漫散乱の解析には、多量の数値計算を必要(たとえば32ビット計算機で1つのデ-タあたり10日の連続計算)となることがわかった。解析法の改良などで数値計算のウエイトを落す必要がある。
中性子散乱ではデ-タ解析にフオノンの状態密度の影響を差し引くことができれば、目的の低エネルギ-励起のより信頼性のある同定が可能となることがわかった。これまで多数報告されているフオノンの状態密度をどのように数値計算にとりこむかが、これからの問題点である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐久間隆: "X線異常散乱法を利用した結晶性物質のキャラクタリゼ-ション" 日本金属学会会報. 28. 195-202 (1989)

  • [文献書誌] T.Sakuma: "Low-Energy Excitation In β-Cu_2Se" J.Phys.Soc.Jpn. 58. 3061-3064 (1989)

  • [文献書誌] T.Sakuma: "Determlnation of the Crystal Structure of Superionlc Phase of Cu_2Se" Materials Transactions,JIM. 30. 365-369 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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