沖縄は日本一の長寿県であり、内外から注目されている。しかし27年に及ぶ米国統治により、全国でも食生活の欧米化は著しい。成人病のリスクファクターを把握し、その予防を目的として年代別の食生活調査及び血液性状の測定、特殊な養生食の微量成分の測定を行い下記の結果を得た。 (1)県内中学生250名について食生活に関するアンケート調査を行い体型、栄養バランス、摂取食品数、食行動を検討するとともに86名については血液成分値を測定した。男子においては高コレステロール者の割合が高く、肥満との相関がみられた。 (2)養生食として多用されている"いかの墨汁"の脂肪酸組成では"アオリイカ"に高度不飽和脂肪酸含量が高かった。 (3)"鮒の煎じ汁"について脂質および微量成分の分析を行った。 (4)県内の女子高校生438名、比較の対象として宮崎県内及び長崎県内の女子高校生278名の食生活に関する調査を行った。基本的な食品摂取状況、ファーストフード、間食、朝食の欠食状況、運動、体型への認識等において、県内の女子高校生に多くの問題点がみられた。 (5)県内の主婦の食生活調査及び食事買い上げ法による塩分測定を行った。食塩摂取量は全国値に比べて低かった。しかし肥満者の割合が高く、疾病経験との間に関連性がみられた。
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