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1990 年度 研究成果報告書概要

野菜に含まれるシァン配糖体の安全性について

研究課題

研究課題/領域番号 01580075
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 家政学
研究機関山口女子大学

研究代表者

大鶴 勝  山口女子大学, 家政学部, 教授 (30110860)

研究期間 (年度) 1989 – 1990
キーワード甲状腺 / 甲状腺腫 / 十字花科野菜 / シァン配糖体 / ヨウ素 / コンブ / Seaweed
研究概要

十字花科野菜にはシァン配糖体が含まれる。シァン配糖体を多く含むことでよく知られるナタネを家畜の飼料とすると、甲状腺肥大を起こすことは有名である。本研究は日常よく食する十字花料野菜(ダイコン,キャベツ,カイワレ)の甲状腺への影響および他の臓器への影響について調べた。その結果、これらの野菜の摂取により、体重増加、甲状腺の萎縮組織像からは濾胞腔の縮少、濾胞上皮細胞の肥厚が認められた。血液検査からは血中脂質の増加、肝臓の組織像からは脂肪変性など他の臓器への影響も認められた。特にカイワレ投与群においてこれらの影響は大であった。そこで、カイワレを用い、ヨ-ド添加効果について、コンブを飼料に混入した場合の甲状腺の回復状況について調べた。コンブ(320mgI_2/100g)を飼料1Kg当り、Og(B),1g(C),5g(D),10g(E)をそれぞれ添加した。各群5〜6匹を54日間飼育後解剖し、各組織について検鏡、血液検査を行った。C,D,E,群については、甲状腺の大きさ(重量、長径、短径)にコントロ-ルに比べて小さい傾向が認められた。全ての飼料はKI無添加であり、約2ケ月間の飼育により甲状腺はコントロ-ルにおいてもやや肥大傾向にあるので、コンブの添加により小さくなったものと思われる。組織像血液検査についても大きな差は認められず、他の臓器についても異常は認められなかった。
これらのことから、コンブを添加することにより、十字花科野菜摂取による甲状腺機能障害は改善されると考えられる。添加するコンブの量は、添加群に大きな差はなく、1g/kg飼料で十分であると思われる。
日本においてはヨウ素欠乏症よりも、過剰症が問題になっているが、食生活の多様化、欧米化により引き起こされる可能性の欠乏症についても十分注意する必要があると思われる。

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公開日: 1993-08-12  

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