1.生と茹でたまたは揚げたニンジン、ゴボウ、ホウレンソウ、ピ-マンをアセトンで脱水、脱脂してから熱メタノ-ル処理をして食物繊維を分離した。分離した食物繊維の生体外でのカルシウム吸着性は、ニンジン、ピ-マでは茹でるまたは揚げるで増加した。ホウレンソウでは茹でたもので著しく減少したが、揚げたものでは茹でたものより減少の程度は少なかった。しかしゴボウでは茹でたもので減少し、揚げたもので更に減少した。このようなカルシウム吸着性の調理による変化は、また食物繊維の水溶性区分の一部除去の有無により異なることが認められた。カルシウム吸着量は、ホウレンソウにおいて最も多く、他の野菜はほぼ同程度であった。 2.血漿および尿中の環状アデニル酸(cAMP)を高速液体クロマトグラフィ法によりpmol単位で定量する条件を決定した。血漿は1mlを除たんぱく後、尿はそのまま10〜20mlを強塩基性イオン交換樹脂カラムを通してcAMPを分離し、その分離液を凍結乾燥してから高速液体クロマトグラフィ法で定量する。試験食摂取後の採血、採尿時間を現在、検討中である。 3.ビタミンB_1で飽和されている人において、ビタミンB_1と共にゴボウ正油煮80g、または炒めたニンジンより分離した食物繊維3gの給与によりビタミンB_1の尿中排泄量は、ゴボウまたはニンジン食物繊維非摂取時よりそれぞれ約12%、15%減少した。ニンジン加熱乾燥粉末10g給与した後のビタミンB_1の尿中排泄量を定量中である。
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