日本の余暇研究全体についての先行研究を見ると、週休2日制などの導入を境に行われるようになったが、総理府、余暇開発センタ-などのどちらかというと上からの調査研究が多く、民間や学会等学問的研究は、少ない傾向にある。余暇研究のうち、特に高齢者の余暇についての研究は、ほとんど見あたらず、今後の研究が必要とされる。さらに、これらの学問的研究の現実への応用が急務となる。欧米先進国で余暇研究は、すでに1930年代からいくつかの研究が始められ、現在質的にも充実しており、高齢化社会である日本にとって、いくつかの示唆を与える。これら先行研究と予備調査のデ-タを林の数量化理論により分析し、次のような仮設、及び結果が導かれた。 1、余暇活動の活発な高齢者ほど日常の生活充実度は高い。 2、身体活動に親しんでいる高齢者ほど、健康度は高い。 3、高学歴、高学歴の高齢者程余暇活動への参与は、多い。 4、高齢者の余暇活動の充実のためには、若い頃からの余暇教育が不可決である。 5、余暇活動への参与など、調査で得た質的デ-タ分析は、数量化理論が有効であり、調査対象数が1000名前後の場合は、大型計算機より、むしろ、パソコンの方がデ-タ加工などによるきめの細かい分析ができる。 今後の研究の展開として、余暇活動への参与、生活の充実度、特に身体活動と健康度との関連をアンケ-ト調査、その他の野外調査により検証する。
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