本研究の目的は、発育期におけるスポ-ツ活動の動脈硬化性疾患に対する予防効果を検討することである。そのために中学生を対象にして、入学時から3年間追跡し、部活動など高度のスポ-ツ活動への参加の有無が大動脈波速度、血中脂室、血圧、体組成、体力水準に及ぼす縦断的に検討中である。 対象にしているのは、I群として、A地区における中学校(2校)の生徒のうち1年生の全員(320名)、およびII群として、B地区のある中学校の学生のうち運動部に入り高度のスポ-ツ活動を行っている20名と、学校体育活動以外にスポ-ツ活動を行っていない20名である。I群では、食習慣、日常生活における身体活動度、家族歴(高血圧、糖尿病など)の調査を行い、さらに血中脂質(総コレステロ-ル、HDLコレステロ-ル)、血圧、体脂肪量の測定を行った。II群では、大動脈脈波速度の測定を行った。また両群で1500m走による体力水準の評価を行った。 現在、調査および測定成績の整理を進めているが、現段階において明らかになったのは、小学校時代からスポ-ツ活動を続けていたものでは、血清コレステロ-ルのレベルが低いことである。中学校においては、大部分の生徒が運動部に属していたので、活動状況のレベルを再度調査した。現在、活動強度との対比を行うべく検討を進めている。なお、発育の程度によっても、血清脂質、血圧に差が認められるので、縦断的に検討することの重要性が明らかになった。
|