研究概要 |
本年度の調査対象:都内盲学校、小学部の児童のうち、1991年度一年生(全盲児3人)と四年生(全盲児2人)を中心に、入学以後の学校生活を定期的(週一回)に観察記録した。観察の焦点は、a、学校生活空間への適応(1987年度より継続)b、体育課業中の教授と学習過程(1987年度より継続)である。 調査対象とした行動:空間図式発達と関係のふかい運動行動について、a,なれた場所、たとえば教室内やプレイル-ムでの移動様式がどう発達して行くか、b,なれていない場所、たとえば運動場の別のコ-ナ-・プ-ル・体育館(一年生)、学校周辺・スケ-トリンク・スキ-場などにどう適応していくか、体育課業時の運動課題にいかに習熟してゆくかをみた。 空間図式発達の指標:盲児の空間図式形成を,特定な場所における、a,任意な移動様式、b,その言語的説明の程度,c,全般的な身体コントロ-ル能からたしかめた。 結果、a,移動能力のたかい子どもでは言語的説明がより明確である、b,空間図式と身体図式とは関係がふかい、c,これら能力の発達に体育課業のはたす役割が大きいことを確かめられた。
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