1.エンドセリン-1の構造活性相関 自動ペプチド合成装置及び酵素法を用いて、a)エンドセリン-1(1-21)およびビッグエンドセリン-1(1-25)、(1-39) b)L-Trp21をD-Trp21に置換したエンドセリン-1(1-21) c)C末端部を欠くエンドセリン-1(1-20)、(1-19)(1-16) d)分子内ss結合および分子内ル-プを切断したカルボキシメチルエンドセリン-1、Lys9-nickedエンドセリン-1を合成し、逆相HPLCにより精製した。ついで、その精製ペプチドをブタ冠動脈血管螺旋標本を用いて、収縮活性を測定した。その結果、C末端Trp21が活性発現に必須であること、SS結合、Asp-Lys-Gluの荷電部分およびル-プ構造が活性に必要であることが分かった。 2.培養内皮細胞上清およびブタ脊髄、脳におけるエンドセリン関連ペプチドの化学的解析 培養内皮細胞上清より、エンドセリン-1、ビッグエンドセリン-1の他に、ビッグエンドセリン-1(22-39)を単離構造決定し、遺伝子解析より推定したエンドセリンの生合成経路の正しさを示した。また、ブタ脊髄、脳より、エンドセリン-1及びエンドセリン-3を単離構造決定し、いずれも中枢神経に存在する神経ペプチドであることを示した。 3.エンドセリン変換酵素の解析 ウシ副腎髄質クロム親和顆粒より、ビッグエンドセリンをエンドセリンに変換する活性を持つプロテア-ゼを単離し、ペプスタチンで阻害される至適pH3.5の酸性プロテア-ゼであり、分子量(ゲル濾過法30K、SDS-PAGE法45、30、15K)の比較からカテプシンDであることを突き止めた。
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