1.エンドセリンー1の構造活性相関 エンドセリンー1のC末端Trp21ga活性発現に必須であること、SS結合、AspーLysーGluの荷電部分およびル-プ構造が活性に必要であることを明かにした。 2.培養内皮細胞上清およびブタ脊髄、脳におけるエンドセリン関連ペプチドの構造解析 培養内皮細胞上清の解析から、遺伝子構造解析より推定したエンドセリンの生合成経路の正しさを実証した。また、ブタ脊髄、脳中からエンドセリンー1とー3を単離して、いずれも神経ペプチドであることを示した。 3.エンドセリン変換酵素の精製と特性解析 ウシ副腎髄質および血管内皮細胞から、エンドセリン変換活性をもつ酸性プロテア-ゼが存在することを明かにし、カテプシンDであることを示した。一方、エンドセリン産生組織である肺、脳から、中性で変換活性をもつ金属プロテア-ゼの存在を見つけ、ホスホラミドンで強力に阻害されることを明かにした。 4.ホスホラミドンによる培養内皮細胞への効果およびラットin vitro投与の効果の解析 ホスホラミドンはビッグエンドセリンー1のラットin vitro投与による昇圧反応を強力に押えた。また、ホスホラミドンから内皮細胞内に浸透し、エンドセリン変換酵素の活性を阻害することを明かにした。このことは、ホスホラミドン誘導体が降圧活性を持つことになり、今後これらの誘導体が降圧薬として役立つ可能性を示している。
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