研究概要 |
ウリ科植物種子に含まれるセリンプロテア-ゼインヒビタ-の構成アミノ酸残基数はわずか28前後でしかない。それ故、従来行われてきたようにアミノ酸の変異数に基づいた進化系統樹を作成する必要がなく,直接アミノ酸の変異を追跡することによってより正確な進化系統樹を描くことができると考えられる。このような観点から、スカッシュ型インヒビタ-(ウリ科植物種子セリンプロテア-ゼインヒビタ-)の精製とそのアミノ酸配列の決定を行った。 今年度はカンピョウ種子に含まれるセリンプロテア-ゼインヒビタ-を精製し,そのアミノ酸配列を決定した。精製はカンピョウ種子抽出液の65〜90%アセトン沈殿、ゲルろ過,逆相クロマトグラフィにより行い,LLDTIーIおよびIIの2種のトリプシンインヒビタ-を得た。これらのインヒビタ-のアミノ酸配列は下記の通りである。 《LLDTIーI》 〈ERRCPRIYMECKHDSDCLADCVCLEHGICG 《LLDTIーII》 RRCPRIYMECKHDSDCLADCVCLEHGICG 昨年度の研究においてアミノ酸配列を決定したニガウリ種子のセリンプロテア-ゼインヒビタ-とは6〜10個所のアミノ酸の変異が認められた。
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