胃酸分泌にともなうリン脂質代謝における膵臓型ホスホリパ-ゼA_2の役割

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01580162
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 東城 博雅 大阪大学, 医学部, 助手 (90135707)
• キーワード: 膵臓型ホスホリパ-ゼA_2 / II群ホスホリパ-ゼA_2 / 消化管 / リン脂質代謝 / 胃酸分泌

研究概要

1.胃粘膜膜分画から可溶化した膵脾臓型ホスホリパ-ゼA_2(PLA_2)を精製した。精製PLA_2のN末端アミノ酸配列、ペプチドマップ、アミノ酸組成、CDスペクトル測定から推定した2次構造は、可溶画分PLA_2と、ほとんど同一であった。
2.胃粘膜から単離した膵型PLA_2CDNAの塩基配列をもとに、胃脾型PLA_2の全一次構造を決定した。
3.II群(マムシ毒型)PLA_2cDNAをプロ-ブとして、胃粘膜にも膵型PLA_2の他に、II群PLA_2がmRNAのレベルでは、比較的多量に存在することを明らかにした。
4.胃粘膜から分化度の異なる主細胞と壁細胞を単離する方法を確立し細胞レベルでのPLA_2の制御機構についての研究を開始した。
5.小量の胃粘膜(たとえば、内視鏡を用いたbio_<125y>)組織を用いて高感度にPLA_2活性を測定する方法を開発し、併せて、ELISA法で全PLA_2含量を測定する方法も確立した。
6.5の方法で、胃PLA_2の分泌動態について検討をはじめた。

研究成果

• [文献書誌] Sakata,T.: "Presence of pancreaticーtype PhosPholipase A_2mRNA in rat gastric mucosa and lung" Biochim,Biophys.Acta. 1007. 124-126 (1989)
• [文献書誌] Ishizaki,J.: "cDNA cloning and sequence determination of rat membraneーassociated phospholipase A_2" Biochem,Biophys,Res,Commun.162. 1030-1036 (1989)
• [文献書誌] Kanda,A.: "The primary structure at a membraneーassociated phospholipase A_2 from human spleen." Biochein:Biophys.Res.Comminum.163. 42-48 (1989)
• [文献書誌] Tojo,H: "Methads in Enzymology" Academic Press, (1990)