研究課題/領域番号 |
01580167
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
|
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
酒井 久美子 大分医科大学, 医学部, 教務職員 (60225753)
|
研究分担者 |
指吸 俊次 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00019564)
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
キーワード | 長鎖脂肪酸 / 細胞骨格 / オリゴデンドログリア / ミクロソ-ム / 脂肪酸伸長活性 / 縮合活性 / カルシュウム / アシルCoA合成酵素 |
研究概要 |
(1)単離したオリゴデンドログリアで脂肪酸縮合活性が非常に低下したのは、小胞体の膜構造が大きく変化したためであり、再度培養すると細胞骨格の発達に依存して縮合酵素活性が小胞体の膜に再分配されるが、このとき酵素の種類によって分配のされ方が異なる。(2)ミクロソ-ム膜は、マイクロチュ-ブル(MT)と相互作用し、GTP,ATP存在下でMTのまわりに凝集してくる。相互作用していると、内在性の脂肪酸に対する縮合活性が30〜40%程低下する。(3)脳ミクロソ-ムの多不飽和脂肪酸に対する縮合活性が、ミエリン形成後も高く維持される。また複数の脂肪酸が基質として存在すると互いに各々の縮合活性を阻害し合い、その阻害様式は非拮抗阻害モデルでよく説明できた。この阻害様式で、脂肪酸のホメオスタシスに寄与していると考えられた。(4)ミクロソ-ム膜の脂質構造の柔らかさを測定する手法として、赤外分析法を応用して、いろいろな生体組織の赤外スペクトルを生のままで測定することが出来た。ミクロソ-ム膜で1mMのカルシュウムを加えると膜が固くなる様子をとらえることが出来た。この時、脂肪酸縮合活性を測定すると、遊離脂肪酸を基質に使った時にそれに対する縮合活性が2〜3倍に活性化される。この機構として、アシルCoA合成酵素と縮合酵素との間の相互作用が変化し、アシルCoAの転送効率が上昇したためであると考えられた。これは縮合活性の制御を考える上で新しい概念である。(5)ミクロソ-ムの生理活性の一つであるカルシュウムの取り込みと遊離の活性を測定し、この活性が18:4(nー3)脂肪酸とmalonylーCoAが一定量以上の存在すると大きくカルシュウムの取り込みや遊離の活性を阻害した。ATPによってミクロソ-ム膜の形態変化が起こり、ミクロソ-ムの大きさが約2倍以上大きくなるが、この変化自体は縮合活性には影響しない。
|