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1990 年度 実績報告書

T.B両リンパ球抗原を持つ新しいリンパ球様細胞群の発見ーその性質と機能

研究課題

研究課題/領域番号 01580179
研究機関(財)大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

吉田 龍太郎  (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 部長 (10124760)

研究分担者 大久保 明美  (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 特別研究員 (00168890)
滝川 修  (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (70163342)
キーワード移植 / 拒絶反応 / エフェクタ-細胞 / 宿主細胞 / 単球 / マクロファ-ジ
研究概要

外科技術の急速な進歩と、免疫抑制剤の開発などにより、心臓、肝臓、賢臓や皮膚移植など、臓器或いは組織の移植を求める声が近年ますます高まってきている。しかし、移植後に起こる拒絶反応は、非常に大きな問題であるのに、細胞傷害活性を持つエフェクタ-細胞の同定など、そのメカニズムは明らかではない。我々は、移植癌細胞の増殖抑制時に、宿主細胞が局所に浸潤していることに注目し、その細胞種の同定を試みた。移植後、移植癌細胞が排除される実験系でのみ浸潤する宿主細胞種の中に、Tリンパ球の表面抗原であるThyー1.2とBリンパ球のマ-カ-である免疫グロブリンκ鎖を同時に持つ、新しいリンパ球様細胞群を発見し、平成元年度は、これらの細胞の分類と単離を、平成2年度は、1)宿主細胞の細胞傷害活性、2)本細胞群誘導機構および3)本細胞群に対する増殖・分化因子について検討した。その結果、1)宿主細胞による移植片に対する細胞傷害活性は、移植後8日に最高値に達し、移植片が排除される14日後には、その活性は殆ど認められず、本リンパ球様細胞出現の経時変化とは異なること、また、95%以上の精製度で本リンパ球様細胞群を単離した標品にも、弱い細胞傷害活性しか認められなかった。2)移植癌細胞標品に混入する白血球細胞をセルソ-タ-やパ-コ-ル密度勾配で分離し、精製癌細胞を移植したところ、全く同様な移植拒絶反応が認められ、新しいリンパ球様細胞群の浸潤が観察された。3)脾細胞コンカナバリンA処理上清や、種々の既知の増殖因子やその抗体の本細胞群の増殖に対する効果を調べたが、顕著な変化は認められなかった。4)移植片に対する細胞傷害活性が最大に達する移植後8日で、浸潤細胞を回収し、セルソ-タ-で各細胞分画を単離し、その細胞傷害活性を測定した。形態との検索の結果、主たるエフェクタ-細胞は、単球/マクロファ-ジ系細胞であることが判明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] O.Takikawa,A.HabaraーOhkubo,and R.Yoshida: "Interferonーγ is the inducer of indoleamine 2,3ーdioxygenase in allografted tumor cells undergoing rejection" J.Immunol.145. 1246-1250 (1990)

  • [文献書誌] R.Yoshida,O.Takikawa,T.Oku and A.HabaraーOhkubo: "Mononuclear phagocytes:A major population of effector cells responsible for rejection of allografted tumor cells in mice." Proc.Natl.Acad,Sci.U.S.A.88. 1526-1530 (1991)

  • [文献書誌] A.HabaraーOhkubo,O.Takikawa and R.Yoshida: "Cloning and Expression of cDNA for Mouse Indoleamine 2,3ーDioxygenase" gene.

  • [文献書誌] R.Yoshida,O.Takikawa,and A.HabaraーOhkubo: "Amino Acids:Chemistry,Biology and Medicine" ESCOM Science Publishers B.V., 8 (1990)

  • [文献書誌] O.Hayaishi,O.Takikawa,and R.Yoshida: "Progress in Inorganic Chemistry:Bioinorganic Chemistry" John Wiley & Sons,Inc., 21 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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