研究課題/領域番号 |
01580185
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 明彦 東京大学, 理学部, 講師 (90142140)
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研究分担者 |
大矢 禎一 東京大学, 理学部, 助手 (20183767)
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キーワード | タンパク質の分泌 / 小胞体(ER) / ゴルジ体 / 細胞内小胞輸送 / GTP結合タンパク質 / SAR1 / SEC12 / 酵母(S.cerevisiae) |
研究概要 |
酵母(S.cerevisiae)遺伝子SAR1は、小胞体(ER)ーゴルジ体間輸送に欠陥をもつ温度感受性変異株sec12のマルチコピ-サプレッサ-として分離されたものであり、その抑制の機構は産物レベルでの相互作用によるものと推定されている。これまでにSAR1産物(Sar1p)が分子量21KDaのGTP結合タンパク質であること、およびSec12pと同様、ER-ゴルジ間輸送に必須であることを明らかにしてきた。本研究では、これらの遺伝子産物を機能と明らかにしていくために、次の二つのアプロ-チを行った。 (1)Sar1pの局在性に関する生化学的研究 lacZ-SAR1遺合遺伝子を利用して、抗Sar1pポリクロ-ン抗体を作成した。この抗体は、酵母ライセ-ト中、Sar1pを約23KDaのバンドとして認識する。野性株スフエロプラストをホモジェナイズして、遠心分画およびショ糖密度勾配遠心を行ったところ、Sar1pは常にSec12pと挙動を共にし、ER膜画分に回収されることがわかった。また、間接蛍光抗体法によっても、Sar1pは主にER膜に局在すると結論された。Sar1pを膜から可溶化するには、デオキシコ-ル酸などのイオン性界面活性剤が必要であり、膜との強い相互作用が示唆された。 (2)ER-ゴルジ間輸送の無細胞系 Bakerらの方法によってsemi-intact cellsを調整し、α因子のER-ゴルジ間輸送を再構成した。これによって、Sar1pおよびSec12pの機能解明のための、新しい実験系が確立したものと考えられる。
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