研究課題/領域番号 |
01580199
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
高野 利也 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60051364)
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研究分担者 |
立花 宏一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80216986)
瀬川 薫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30114523)
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キーワード | GTP結合蛋白質 / cDNA / 転写 / house-keeping gene / ヒト第8染色体 / 脳 / ウエスタンブロット分析 / 3'非翻訳領域 |
研究概要 |
1.トヒ由来の新しいGTP結合蛋白質を支配するcDNAクロ-ン、Hrab2について、その発現と転写体の解析を行った。各種のヒト培養細胞のRNAについてノ-ザンブロット分析を行ったところ、いずれの細胞でも3.5、2.4、1.4kbの転写体が認められた。サルおよびマウス培養細胞では、2.4および1.4kbのみが認められた。これらのHrab2転写体に相当する、ヒト単球培養細胞U937由来の複数のcDNAクロ-ンについて塩基配列を分析したところ、3'非翻訳領域の長さと構造に違いが認められた。一方、マウスの個体レベルでは、脳で発現が最も高く、ついで腎、睾丸で高かったが、いずれの臓器でも発現していた。 2.血清無添加で24時間以上培養したヒト2倍体細胞MRC-5において、Hrab2の発現レベルが低下することおよび1の結果から、Hrab2は、いわゆる"house-keeping gene"の一種であることが示唆された。 3.ヒト・マウス雑種細胞DNAのサザンブロット分析によって、ヒトHrab2遺伝子は第8染色体上に座位することを明らかにした。 4.Hrab2の塩基配列から予想されたアミノ酸配列をもとにオリゴペプチドを合成し、それを抗原としてウサギ抗血清を得た。本cDNAを発現ベクタ-に組み込んで導入した大腸菌の抽出液についてウエスタンブロット分析を行ったところ、Hrab2は約25キロダルトンのペプチドをコ-ドしていることが明らかにされた。 次年度以後、本抗血清を用い、またHrab2蛋白質の精製も試み、本蛋白質の生化学的活性、細胞内局在、機能などについて検討する。
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