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1990 年度 実績報告書

二次性能動輸送蛋白の反応機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01580200
研究機関東京理科大学

研究代表者

山登 一郎  東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (70111458)

キーワード大腸菌 / 二次性能動輸送 / 輸送タンパク質 / エネルギ-共役 / 親和性モデル / 部位特異的変異導入 / 糖・アミノ酸輸送系 / 共輸送
研究概要

生物におけるエネルギ-変換過程は、生物が熱力学的非平衡系として存在するために、細胞の生命活動に普遍的に深く関わっている。エネルギ-変換利用系の中でとりわけシステムとして簡単である二次性能動輸送系について反応機構を解明することは、他のより複雑なエネルギ-変換過程を理解するための基本的概念を提供する。二次性能動輸送系は、熱力学的には共役イオンの電気化学ポテンシャル差を物質の能動輸送のエネルギ-に変換するシステムとして理解されているが、化学反応論的なメカニズムに付いてはまで議論の分かれている状態であった。
本研究においては、研究計画に従って順調に成果をあげることができた。反応機構の研究では、大腸菌プロリン・ラクト-ス・グルタミン酸各輸送タンパク質とともに、共役イオンが輸送タンパク質に結合することにより、タンパク質のコンフォメ-ション変化を促して基質への親和性を増大せしめることがわかり、親和性モデルの成立することが示された。輸送タンパク質の構造と機能の研究では、グルタミン酸/ナトリウムイオン共輸送タンパク質遺伝子クロ-ニングと塩基配列決定により、5つのアミノ酸の並びをナトリウムイオン結合モチ-フとして相同性検索により発見することができた。一方、プロリン輸送タンパク質についての遺伝生化学・生化学・分子生物学的研究により、基質結合・共役イオン結合に関係するアミノ酸部位を特定することができ、さらに輸送タンパク質の膜内における配向性についても同定することができた。
今後、エネルギ-変換系の一つである二次性能動輸送系で、こうした親和性モデルが成り立たねばならない必然性について研究、裏返せば、親和性モデルでなくランダムモデルが成立するような二次性能動輸送タンパク質の設計が可能かという問題意識を持って本研究を発展させ、輸送タンパク質の構造と機能の関係を明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Ichiro Yamato: "Dependence on pH of substrate binding to amutant latant lactose carrier,lacy^<un>,in Escherichia coli:A model for H^+/lactose symport." Biochem.J.258. 389-396 (1989)

  • [文献書誌] 山登 一郎: "生野物質の持つ特異性を利用した分離技術" Sut Bulletin. 1. 57-59 (1989)

  • [文献書誌] Yutaka Deguchi: "Molecular cloning of gltS and gltP encoding glutamate carriers of Eschericha coli B." J.Bacteriol.171. 1314-1319 (1989)

  • [文献書誌] Yuto Komeiji: "Orientation of the carboxyl terminus of the Na^+/proline symport carrier in Escherichia coli." FEBS Lett.256. 135-138 (1989)

  • [文献書誌] Ichiro Yamato: "Mechanism of Na^+/proline symport in Escherichia coli:Reappraisal of the effect of cation dinding to the Na^+/proline symport carrier." J.Membrane Biol.114. 143-151 (1990)

  • [文献書誌] Ichiro Yamato: "Defective cationーcoupling mulants of Escherichia coli Na^+/proline symport carrler. Characterization and localization of mutations." J.Biol.Chem.265. 2450-2455 (1990)

  • [文献書誌] 山登 一郎: "大腸菌プロリン輸送系の研究" 生化学. 62. 1020-1030 (1990)

  • [文献書誌] Yutaka Deguchi: "Nucletide sequence gltS,the Na^+/glutamate carrier gene of Escherichiacoli B." J.Biol.Chem.265. 21704-21708 (1990)

  • [文献書誌] Hiro Nakamura: "Expression of cyoA and cyoB demonstrates that the COーbinding heme component of the Escherichia coli cytochrome o complex is in subunit I." J.Biol.Chem. 265. 11193-11197 (1990)

  • [文献書誌] Jun Minagawa: "Transcriptional regulation of the cytochrome o complex in Eschericherichia coli.Gene expression and molecular characterization of promoter." J.Biol.Chem. 265. 11198-11203 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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