昨年度単離したマウスのMyoDおよびmyogeninのcDNAをプロ-ブとして、ニワトリのMyoD(CMD1)およびmyogenin、さらにニワトリのMRF4を単離した。これらのcDNAをヒトβーアクチンのプロモ-タ-に連結した発現ベクタ-を作成し、マウス線維芽細胞あるいはニワトリ初代培養線維芽細胞に導入することにより、次のようなことを明らかにした。 (1)3つのニワトリ筋分化誘導因はいずれもマウス10T1/2細胞を筋芽細胞に変換することができ、その意味で活性な分子である。 (2)MyoDは先に我々が見出した筋細胞特異性を示す骨格筋型ミオシン軽鎖LC1のエンハンサ-に結合したプロモ-タ-を活性化することができる。 (3)myogeninやMRF4はエンハンサ-に結合するがこれを活性化することはできず、従ってこのエンハンサ-はMyoD特異的なエレメントである。 (4)myogeninはプロモ-タ-を活性化し、この場合はエンハンサ-以外の領域をさらに必要とする。これらの結果をふまえ、どの領域が必要かを調べたところ、エンハンサ-に隣接する領域が関与していることがわかった。
|