クラッドの生成と変換に関しては、ニッケルフェライトとコバルトフェライトの生成に対する鉄の酸化物および水酸化物の種類による影響を明らかにした。 まず、α-FeOOH、微粒子状のα-FeOOH、γ-FeOOH、Fe_3O_4 、α-Fe_2O_3、微粒子状のα-Fe_2O_3およびγ-Fe_2O_3を調製し、これらの酸化物とあらかじめ調製しておいたNi(OH)_2あるいはCo(OH)_2をFe:NiあるいはFe:Coの比が2:1になるように計算し、テフロン製沈澱管に入れ再蒸留水を加えてよく撹拌した。その後オ-トクレ-ブにセットし、精製N_2による溶存酵素の除去後、蓋をして、150-300℃において24h加熱した。生成物をX線回折、Xスバウア分光分析等により調べ、次のような結果を得た。 1)Fe_3O_4は300℃までの温度ではNi(OH)_2およびCo(OH)_2と反応しない。2)α-FeOOHは275℃以上でNiFe_2O_4を、また、250℃以上でCOFe_2O_4を生成する。3)微粒子状の-FeOOHは150℃以上の温度でNiFe_2O_4を生成する。4)γ-FeOOHは150℃以上の温度でNiFe_2O_4とCoFe_2O_4を生成する。5)α-Fe_2O_3は300℃までの温度ではNi(OH)_2と反応しない。6)微粒子状のα-Fe_2O_3は250℃以上の温度でNiFe_2O_4を生成する。7)γ-Fe_2O_3は200℃以上でNiFe_2O_4を生成する。 クラッドの溶解に関しては、Fe_3O_4の溶解について予備的結果を得た。溶解を記述する速度式は溶解剤の種類、濃度、温度、溶解率などの条件によって変化することを見出した。 また、クラッドの生成と変換および溶解に関するデ-タベ-スの整備はほぼ完了した。
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