研究概要 |
本研究は100MeV以上の電子、陽子、重イオンの高エネルギ-加速器からの放射線遮蔽をソ-ス項、遮蔽特性の観点から、数値計算及び実験の双方から系統的に研究を進めようとするものである。 平成元年度は、(1)高エネルギ-放射線の発生および種々の物質の遮蔽特性の数値計算による検討、および、(2)高エネルギ-加速器施設での実験的予備検討をおこなった。 平成2年度においては次の項目の検討を行なった。 (3)大型加速器施設における高エネルギ-放射線の発生とその遮蔽に関する実験;実際の大型加速器施設(理化学研究所リングサイクロトロン)において高エネルギ-放射線の発生および遮蔽デ-タを収集した。前者のためにはガンマ線用に電離箱を,中性子用に放射化箱(炭素,アルミニウム,金,銀,ニッケル,インジウム等)および減速材型中性子検出器を用い,生成量及び角度分布測定を試みた。タ-ゲット条件としては窒素イオンビ-ムを核子当り135MeVに加速したものを鉄の厚いタ-ゲットに入射したものを設定した。遮蔽デ-タとしては主として減速材型検出器を用いて,コンクリ-ト壁の透過デ-タ,迷路部のストリ-ミングデ-タを中心に測定した。 (4)高エネルギ-放射線の発生及び遮蔽に関する計算による評価 上記条件下での高エネルギ-粒子発生についてはモンテカルロコ-ドMNTCにより評価し実験値との差異,計算上の問題点を検討した。又、各種物質の高エネルギ-中性子の透過についても、輸送計算により計算し、実験値との比較検討を行なった。
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