研究概要 |
1.ラムダ機能による二重鎖切断修復モデルについて、(1)二重鎖ギャップ修復を厳密に証明した。(2)ラムダの機能としてはredalphaとbetaがあれば十分である。(3)大腸菌のrecA,recBC,recD,recJ,recN,ruvB機能は必須でない。(4)recAたんぱくが、ギャップ修復に両側の交差が伴うか否かに影響を及ぼす可能性がある。 2.組み替えの二つの産物をともに回収できる系を使って、大腸菌のRecF経路による組み替えは、(1)非相互的であること、(2)二重さ切断はこの非相互性を更に強める形で組み替えを促進することを示した。(3)これらは、組み替えによってDNAの端ができ、それが次の組み替えを促進するという、「半分の組み替えの繰り返し」モデルを強く支持する。 3.この系で、大腸菌のRecE経路とラムダの経路では、(1)二重さ切断によって、相互的な二重さギャップ修復が促進されることを示した。(2)二重さ端の修飾によって、組み替えは非相互的になるが、その頻度は変化しなかった。(3)これらと1の(4)から、二重さギャップ形成の後、非相互的な経路、相互的な二重さギャップ修復に両側の交差が伴う経路、相互的な二重さギャップ修復に両側の交差が伴わない経路の3経路が分岐するというモデルを提案した。 4.動物細胞では、BPVプラスミドを使った実験を行った。第一のプラスミドをあらかじめ樹立した細胞に第二のプラスミドを導入する遺伝子タ-ゲット実験で、相同組み替えと、非相同組み替えが組み合わされた形の産物を得た。この結果は、「半分の組み替えの繰り返し」モデルと一致する。
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