• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

部位特異的アミノ酸置換を利用したタンパク質折りたたみの臨界構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01580258
研究機関北海道大学

研究代表者

桑島 邦博  北海道大学, 理学部, 助手 (70091444)

キーワード折りたたみ機構 / スタフィロコッカルヌクレア-ゼA / CDスペクトル / プラスミドベクタ- / 組換えDNA / 部位特異的アミノ酸置換
研究概要

黄色ブドウ球菌(Foggi株)の大量培養により、野生型スタフィロコッカルヌクレア-ゼAを抽出し、約500mgの精製標品を得た。野生型ヌクレア-ゼAの塩酸グアニジンによるアンフォ-ルディング転移を平衡条件下でのCDスペクトルにより解析するとともに、折りたたみの速度経過をCDストップトフロ-法により研究した。その結果、1)折りたたみには、緩和時間がそれぞれ、0.7秒、7秒、200秒の三つの相があり、いずれの相においても顕著な二次構造の回復が観測される(pH7.0、4.5℃)。2)カルシウムイオンとヌクレア-ゼインヒビタ-であるデオキキシチミジン3'、5'-ニリン酸の結合は、いずれの相の折りたたみ速度にも影響を与えないが、アンフォ-ルディングの速度を著しく低下させることが明らかとなった。従って、折りたたみ反応の臨界構造状態では基質結合部位は形成されていないと結論される。3)反応曲線を時間ゼロに外挿したCD値の波長依存より、折りたたみ反応初期の中間体のCDスペクトルを求めた。α-ラクトアルブミン他数種のタンパク質では中間体のペプチドCDスペクトルは天然タンパク質のもの近いことが知られているが、ヌクレ-ゼAでは天然タンパク質の約30%の二次構造が反応初期に回復することが明らかとなった。
黄色ブドウ球菌の高分子量DNAを制限酵素MboIにより切断して得たフラグメントをプラスミドベクタ-pUC18のBamHI部位に挿入し、大腸菌XL1-Blue株を形質転換した。酵素活性を利用してスクリ-ニングし、ヌクレア-ゼ遺伝子を持った組換え体二個を得た。制限酵素アップを作成し、間違いなくヌクレア-ゼ遺伝子の含まれることを確認した。分泌型発現ベクタ-に遺伝子を接続するためのアダプタ-DNA合成と部位特異的アミノ酸置換を誘発するためのプライマ-DNAの合成を行なった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] KUWAJIMA,Kunihiro: "Characterization of the Critical State in Protein Folding." Journal of Molecular Biology. 206. 547-561 (1989)

  • [文献書誌] KUWAJIMA,Kunihiro: "The Molten Globule State as a Clue for Understanding the Folding and Cooperativity of Globular-Protein Structure." PROTEINS:Struct.,Funct.& Genet.6. 86-103 (1989)

  • [文献書誌] 桑島邦博: "球状タンパク質フォ-ルディングの速度過程" 生化学. 62. 117-121 (1990)

  • [文献書誌] SUGAI,Shintaro: "Characterization of the Folding Intermediates of Globular Proteins" IN“Protein Structural Analysis,Folding and Design",ed.Hatano,M.,Japan,Scientific Societies Press,Tokyo. 53-73 (1990)

  • [文献書誌] GOLLDBERG,M.E.: "An Early Immunoreactive Folding Intermediate of the Tryptophan Synthase beta2 Subunit is a ‘Molten Globule'" FEBS Letters. (1990)

  • [文献書誌] KUWAJIMA,Kunihiro: "Kinetics of Disulfide-Bond Reduction in alpha-Lact-albumin by Dithiothreitol and Molecular Basis of Superreactivity of the Cys6-Cya120 Disulfide Bond" Biochemistry. (1990)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi