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1989 年度 実績報告書

りん核磁気共鳴法による筋収縮蛋白質の反応中間体の立体構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01580266
研究機関東京大学

研究代表者

田之倉 優  東京大学, 理学部, 講師 (60136786)

キーワードミオシン / ATPase / 核磁気共鳴法 / 反応中間体 / NMR / サブフラグメント1
研究概要

ミオシンは筋肉の収縮たんぱく質で、そのATPase活性は筋肉における化学エネルギ-の力学エネルギ-へのエネルギ-変換過程の主要な部分を占める。本研究では、ミオシンATPase反応中間体における立体構造および相互作用について新しい知見を得るために、ミクロの環境および相互作用のよいプロ-ブである核磁気共鳴法(NMR)を用いて測定を行った。
これまでに、ウサギ骨格筋からミオシンを単離精製して、それをキモトリプシン処理してサブフラグメント1(S1)を得て、それらのMg-ATPaseとCa-ATPaseの活性を測定することによって十分に生理活性のよい標品が得られることを確認した。そのようなS1を用いて、ADPとの複合体形成を0℃から25℃までの種々の温度において、燐NMRを用いて測定した。その結果高温では複合体のシグナルが観測されるのに対して、温度を下げていくと複合体のシグナルは線巾が変わらずに強度のみが弱くなっていき、5℃では観測されないことが明らかとなった。このことは、S1-ADP複合体には高温型と低温型の2種類の立体構造があるとして説明される。また、高温型複合体においては、ADPの燐酸のまわりの電子状態が比較的等方的に分布するのに対して、低温型複合体においてはS1のアミノ酸残基がADPの燐酸のまわりに異方性をもって強く相互作用して分布していると考えられる。
また、以上の測定に併行して、ATPの非水解アナログであるAMP・PCPとS1との複合体形成について測定を行い、ATPを用いた速度論的測定の予備的研究に着手した。さらにニワトリ砂のうミオシンの精製についても着手した。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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