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1989 年度 実績報告書

タンパク質の立体構造の計算機による解析法の開発とそれを用いた立体構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01580267
研究機関早稲田大学

研究代表者

和湖 博  早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (60158607)

キーワードタンパク質 / 分子シミュレ-ション / 分子力学 / 立体構造エネルギ- / 水和エネルギ- / NMR距離解析
研究概要

1.タンパク質の分子シミュレ-ションへの水和エネルギ-の導入:従来から行われていた真空中でのタンパク質の立体構造エネルギ-に、原子の露出表面積に比例するとして水和エネルギ-項を加え、溶液中の立体構造エネルギ-計算が可能なプログラムを作製した。溶液中における計算が、タンパク質の振舞いにどのような影響を与えるかを調べるため、天然構造とほどけた構造という二つの初期構造のそれぞれに対して、真空中と溶液中の二つの状態でのモンテカルロ・シミュレ-ションを行った。シミュレ-ションの結果を検討したところ、従来の真空中のシミュレ-ションで顕著に現れる欠陥のいくつかが改良されることが確認できた。
2.基準振動解析法によるタンパク質のドメイン構造の解析:従来、タンパク質のドメイン構造といえば、幾何的視点から定義された静的なものだけであったが、基準振動解析から得られる各残基ペアごとの運動方向の相関を調べることによって、動的な意味でのドメイン構造を定義することができることを示し、結晶構造が明らかにされているタンパク質に対して、そうしたドメインを同定するための計算方法を提案した。
3.NMRから得られる水素原子間の距離情報に矛盾しない立体構造を生成するプログラムの開発と、得られた構造の多型についての研究:われわれが開発した二面角を独立変数とする立体構造エネルギ-計算用プログラムFEDERをより一般化し、更に、NMR距離解析にも利用できるようにした。応用問題として、オキシトシンの溶液中の立体構造に関するNMRデ-タから、その立体構造を決定し、更に、立体構造エネルギ-的観点から得られた構造を検討した。その結果、従来、タイプIのタ-ンをもつ構造だけが示されていたが、タイプIIのタ-ンをもつ構造も得られ、多型をもつ可能性があることを強く示唆した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Wako: "A fractal model of protein conformations and spectral exponents for the densties of lower-frequency normal modes of vibration" Jouranal of the Physical Society of Japan. 58. 1926-1929 (1989)

  • [文献書誌] H.Wako: "Dynamic structurew of globularproteins with respect to correlative movements of residues calculated in the normal mode analysis" Journal of Protein Chemistry. 8. 589-607 (1989)

  • [文献書誌] H.Wako: "Monte Carlo simulations of a protein molecule with and without hydration energy calculated by the hydration shell model" Journal of Protein Chemistry. 8. 733-747 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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