研究課題/領域番号 |
01580277
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
柳本 成一 福井大学, 教育学部, 助教授 (20042971)
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研究分担者 |
黒木 哲徳 福井大学, 教育学部, 助教授 (90022681)
梅沢 章男 福井大学, 教育学部, 助教授 (70151925)
大野木 裕明 福井大学, 教育学部, 助教授 (60141462)
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キーワード | 幾何教材 / 指導法 / situation |
研究概要 |
英国のGattegno は、次の条件を満たすような学習の場をsituation と呼び、situationの教育学を提唱し世界的に注目されている。 (1)生徒達をそこにおけば、生徒達が自発的に数学的活動を展開する。 (2)その中におかれた生徒達は、自分の学ぶべきものへ教師を導いていく。教師はその学び方を教えてやるだけでよい。 これは、正に、学習の場の理想的姿である。しかし、今日、普段の授業で彼の言うsituationの教育は行われていない。彼がsituationの創り方を示さなかったからである。「本研究は、普段の授業をsituation化する方法を明示した世界最初の研究であろう。」と平林一栄(元広大教授)氏より指摘された。実際、氏の指摘するように、我々の行った実験授業はすべて、上記の(1)、(2)を満たすものであった。 そこで、我々は、本研究を上記のGattegnoの理想としたsituationの数学教育を普段の授業の中で実現していくための研究として位置づけ、それに関連する色々な情報を収集して来た。このことは、本研究がスタ-トする時点では全く予期しなかったことであるが、このことによって、本研究の研究領域が拡大されたにも拘わらず、研究がすすめやすくなったことも事実である。 生徒達をつねに、人間本来の自然思考の場に置くように工夫された本研究の実験授業を通して得られた最大の成果は次のようなことがわかりかけて来たことである。 「生徒達一人一人に、人間本来の自然な思考を保証する授業では、たとえ、同じ状況の中で学習していても、学力の差が殆んど問題にならない。」
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