研究概要 |
全体としては、昨年度提出した実績報告書の延長線上で調査研究を行った。 研究実施計画として申請書に記載した「(i) 調査に用いる『日本語表現』の選定と調査方法の決定」については、「必要条件・十分条件」に関する記述をとりあげた。方法の決定に際しては、次の二点を考慮した。第一は、「ため」「条件」「必要」「十分」が、前後におかれた言葉との関連で、どの様な意味に解釈されやすくなるかを調べること。第二は、教科書の従来の記述が、生徒にどう受け取られているかの実態を把握すること。 研究実施計画に記載した「(ii) 調査協力校の選定、調査の準備と調査実施」は、東京理科大学理工学部と中央大学理工学部、文学部を選定し、調査を行った。 また「記述をどう変えたら分かりやすくなるか」を探るために、書換え案を用意し調査を行った。その結果、記述を変更する際に留意すべき点として、有益な示唆がいくつかえられた。 作業は進行中であるが、中間的な結果は、数学言語研究会(細井勉東京理科大学理工学部教授主催)の月例会、1990年度MLG研究集会(名古屋工業大学、12月)のほか、 MORI Masao,On students'difficulty related to verbal expressions,ICM 90 Abstracts, Short Communications,p.271 森 正雄、「必要条件・十分条件」に対する理解と記憶の実態調査、第23回数学教育論文発表会論文集 pp.329〜334(1990)で報告されている。
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