研究課題/領域番号 |
01601031
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦巳 熊本大学, 工学部, 教授 (50040390)
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研究分担者 |
北園 芳人 熊本大学, 工学部, 助手 (40094007)
荒牧 昭二郎 九州東海大学, 工学部, 助教授 (40099081)
今泉 繁良 熊本大学, 地域共同研究センター, 助教授 (20023335)
梶原 光久 熊本大学, 工学部, 教授
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キーワード | 集中豪雨 / 斜面崩壊予測 / 崩壊危険度の評価 / 崩壊時期の予測 / 模型実験 / 数値モデル / 飽和不飽和浸透 / せん断特性 |
研究概要 |
今年度は斜面崩壊の予測に関する次の二つの課題についての基礎的研究を行った。第一は降水データと地盤情報から地山斜面の崩壊危険度を予測する方法の開発、第二は地山斜面の崩壊時期を予測する手法の開発である。以下にこれらの研究成果概要を記す。 1.崩壊危険度の評価法、今泉は昭和57豪雨による長崎市の崩壊・非崩壊斜面調査データをメッシュ分割して、それに数量化理論(11類)を適用して斜面崩壊に対する影響の強い地盤情報による危険箇所判定法を決定し、さらに熊本県における昭和63年豪雨による崩壊・非崩壊斜面調査結果でその手法の妥当性を検証した。鈴木と北園は昭和57豪雨による熊本県の斜面崩壊調査データに同じく数量化理論(11類)を適用して斜面崩壊に対する影響の強い地盤情報による斜面の危険度点数評価法を提案を試みた。 2.崩壊時期の予測法、梶原と荒牧は昭和57豪雨による長崎市と熊本県における崩壊・非崩壊斜面調査データとその後の熊本県内における豪雨による崩壊・非崩壊斜面調査データを詳細に検討し、崩壊機構に対する岩質および地質構造の影響が少なくない事を指摘した。鈴木と北園は上記の調査データを検討して、崩壊機構をモデル化し、それらのモデルについて模型実験結果と有限要素法によるシミュレーション結果を比較検討し、有限要素法によるシミュレーション手法の妥当性を検証した。この事によって実斜面と模型斜面との間の相似率の問題が解決された。今後はこれを発展させ、対象斜面の安全率の経時変化の予測法を研究する。 また模型実験では現象面からの崩壊予知手段として間隙水圧挙動が有効であること、及びAEの観測も可能性があることが確かめられた。
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