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1989 年度 実績報告書

内湾河口域の物質循環に及ぼす流入負荷の影響とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 01602022
研究機関東京水産大学

研究代表者

有賀 祐勝  東京水産大学, 水産学部, 教授 (10017022)

研究分担者 山口 征矢  埼玉大学, 教養部, 教授 (70114220)
小倉 紀雄  東京農工大学, 農学部, 教授 (30015127)
杉本 隆成  東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
キーワード河口域 / 縣濁物質 / 栄養塩 / 植物プランクトン / 一次生産 / 窒素取込量 / 多摩川
研究概要

多摩川の調布取水点におけるTNおよびDINのデータに基づき、同地点で測定された河川流量のデータを考慮して計算すると、多摩川を通して東京湾に流入する窒素の負荷量はTNで7.12t/day(2,600t/yr)、DINで6.31t/day(2,300t/yr)と推定される。
多摩川河口沖定点における月1回の定期観測で得た1988年の水温、透明度(一部は推定値)、平均クロロフィルa__ー量、平均光飽和光合成速度(Pmax)などに基づき、D_1%、Z_<0.5Ik>、海面1m^2あたり生産層内に植物プランクトンによる日生産量を推定した。日生産量は3月に最低、7月に最高となり、1.08〜14.61gC/m^2/day(平均5.50gC/m^2/day)であった。
このようにして得られた植物プランクトンの光合成による炭素(C)固定とともに窒素(N)が植物プランクトンの体内に取込まれるとすれば、C/N=6.6として、植物プランクトンによる窒素取込量は0.17〜2.21gN/m^2/day(平均0.833gN/m^2/day)となる。
上記の結果に基づくと、この海域における植物プランクトンによる窒素取込みの平均的レベルは304gN/m^2/yr(304tN/km^2/yr)程度であると推定される。前述のように多摩川を通して東京湾に流入するNINがおよそ2,300t/yrであるとすれば、これをすベて植物プランクトンが吸収するためには約7.7km^2を要することになる。多摩川を通してのN負荷量の変動は相当大きいものと考えられるのでDIN負荷を3,000tN/yrとすれば、これをすべて植物プランクトンが吸収するには約10km^2を要することになる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 有賀祐勝: "沿岸生態系の変化と人工生態系の効用" 環境科学会誌. 2. 117-119 (1989)

  • [文献書誌] 安田卓哉ほか: "裏高尾の山地渓流における有機物収支" 陸水学雑誌. 50. 227-234 (1989)

  • [文献書誌] 小川浩史ほか: "東京湾における有機炭素の起源および挙動" 地球化学. 24. (1990)

  • [文献書誌] 伊藤喜代志ほか: "強混合型感潮域における縣濁粒子の沈降速度の時空間変動" 水産海洋研究.

  • [文献書誌] YAMAGUCHI,Y.(山口征矢)ほか: "Diel variation of chlorophyll a__ー in Heterosigma red tide in Tokyo Bay" Jpn.J.Phycol.

  • [文献書誌] 宗宮功(編): "自然の浄化機構" 技報堂出版, (1990)

  • [文献書誌] 小倉紀雄ほか(AMR編): "アメニティを考える" 未来社, 360 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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