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1989 年度 実績報告書

環境化学物質による活性酸素の増産とその変異原性発見の機構

研究課題

研究課題/領域番号 01602514
研究機関京都大学

研究代表者

米井 修治  京都大学, 理学部, 講師 (60093340)

キーワード活性酸素 / 突然変異誘発 / DNA損傷 / 酸素ストレス / 適応応答 / oxtR遺伝子
研究概要

活性酸素によって生じるDNA損傷の中でなにが致死的であり突然変異誘発の原因であるのかを明らかにするために、大腸菌の種々のDNA修復欠損変異株の活性酸素感受性を比較した。X線に対してxth、nfoそれぞれの単独変異株は正常の感受性を示したが、二重変異株は致死、突然変異誘発とも高感受性であった。過酸化水素に対してはxth自身も高感受性であるが、nfo変異導入により更に感受性が増大した。また、nth変異株はX線、過酸化水素とも致死作用に影響しないが、突然変異誘発では著しい上昇を示した。これらの結果から、xth、nfo遺伝子産物が認識しうるAPサイトおよび3´損傷が、活性酸素の致死的、突然変異原性を説明するものであり、さらにnth遺伝子産物の作用対象であるチミングリコ-ルも突然変異を誘発すると結論した。また、nth変異による高頻度の突然変異誘発はrecA欠損株でも観察され、活性酸素によって生じる突然変異の主な部分はSOS修復とは別の機構で起こることが分かった。ところで、大腸菌では活性酸素に対する適応応答現象が見いだされているが、この応答に関与する遺伝子の解明を行った。その結果、過酸化水素に対する適応応答にはkatG遺伝子の発現誘導が必須であること、この発現はoxyR遺伝子産物によって正の調節を受けることが分かった。oxyR遺伝子をクロ-ニングして解析した結果、この産物は305個のアミノ酸からなる34KDaの蛋白質であること、LysRファミリ-であるとともに、自らの発現のレプレッサ-としての機能ももつこと、katG遺伝子の転写開始点から約60bp上流の領域に結合することが明かとなった。さらに、nfo::lacZ融合遺伝子の発現誘導から、nfo遺伝子の発現はO_2によって誘導されることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kazuyuki Tao: "Molecular cloning and nucleotide sequencing of oxyR,the positive regulatory gene of a regulon for an adaptive response to oxidative stress in Escherichia coli" Molecular and General Genetics. 218. 371-376 (1989)

  • [文献書誌] Kazuyuki Tao: "Purification of the Escherichia coli OxyR protein,the positive regulator for a hydrogen peroxide inducible regulon" Journal of Biochemistry. (1990)

  • [文献書誌] Seiji Mito: "Lethal and mutagenic lesions in DNA caused by X-rays and hydrogen peroxide in Escherichia coli with different DNA repair capacities"

  • [文献書誌] 米井修治: "活性酸素(共著)" 共立出版, 536 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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