研究課題/領域番号 |
01602528
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
中村 清一 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (80167551)
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研究分担者 |
小坂 博 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 研究員
小田 美光 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (90175266)
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キーワード | 尿 / 抗変異原性 / 抗変異原物質 / 個人差 / 生活習慣 / umu試験 |
研究概要 |
人の尿のSOS反応誘導の抑制作用(抗変異原作用)に関して以下の知見を得た。 1.SOS反応誘導の抑制作用の強さと個人差の程度の確認: (1)喫煙経験のない成人男子の尿は培養液中の尿の濃度が20%(容量比)の場合AF-2によるSOS反応の誘導を行40%抑制した。尿はAF-2のほかdaunorubicine,4NQOによるSOS反応の誘導も抑制したが、MNNGによるSOS反応の誘導は抑制しなかった。 (2)AF-2のSOS反応誘導性に対し一般勤労者(20〜64才)の尿は多くのものが抑制率30〜60%の範囲にあり、その平均値は41.1%であったが、抑制率70%以上のもの、全く抑制作用を示さないものもあった(培養液中の尿濃度20%容量比)。 2.個人差に寄与する因子の検討: 一般勤労者、小学生、大学生、計約900人から得られた調査結果を、性・年齢・生活環境・生活習慣等はの関連から解析中であるが、尿のSOS反応抑製作用の強さと年齢・性・喫煙における相関は見られないものと推測される。 3.抑制成分の分離・精製: 尿の抑制作用は、120℃、15分の加熱処理で変化しないこと、抑制成分の分子量は約500以下であることがわかった。尿を蒸発乾固させ、得られた残留物をクロロホルム、メタノ-ル、水の順に洗い、それぞれの抽出物を得た。このうち、抑制活性はメタノ-ル分画にあり、これより抑制成分の粗精製物を得た。 4.今後の展開: 抑制成分の分離・同定を行うと共に、尿の抗変異原性とがんを中心とした症病との関連を検討する。
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