研究課題/領域番号 |
01602529
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
堀 伸二郎 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 主任研究員 (90192319)
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研究分担者 |
高木 康博 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (20192148)
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キーワード | ポリ塩化ジベンゾ-p-ダイオキシン(PCDDs) / ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs) / 免疫応答能 / IgM / IgG / 成熟マウス / 乳幼仔マウス / 毒性評価 |
研究概要 |
環境中に存在するポリ塩化ジベンゾ-p-ダイオキシン(PCDDs)やポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)は多くの異性体混合物からなっており、これらの混合物の生体影響を評価するにはその存在形態(異性体組成比)が重要となる。そこで実際的な方法として使用済熱媒体(KC-400)よりPCDDs/PCDFsを分取した後、高分解能ガスクロマトグラフ(HRGC)/高分解能質量分析計(HRMS)でPCDDs/PCDFsの異性体組成を把握したうえで、これらの物質を用いて成熟マウス及び乳幼仔マウスの免疫応答に及ぼす影響を検討すると共にその免疫毒性評価を試みた。 成熟マウス:PCDDs/PCDFsはマウスの液性免疫系のうち、IgG抗体産生に関わるB細胞の機能、ならびにIgG抗体産生に関わるT細胞の機能が抑制され、その程度はIgG抗体産生に関するB細胞の方が大きかった。細胞性免疫系については遅延型アレルギ-反応のうち接触性アレルギ-反応に関わるT細胞の機能が軽度に抑制された。フロ-サイトメ-タ-を用いてTリンパ球亜群を解析したところ、末梢血及び胸腺のhepler T cell/suppressor T cell比が低下していた。 乳幼仔マウス(胎盤経由+母乳経由):母親体内に蓄積したPCDDs/PCDFsに暴露されると、仔のIgM抗体産生に関わるB細胞の機能に影響は認められないが、IgM抗体産生に関わるB細胞、T細胞の機能は抑制され、その程度はT細胞の方が大きかった。さらに接触性アレルギ-反応に関わるT細胞の機能も軽度に抑制された。 PCDDs/PCDFs混合物35μgの免疫毒性は2、3、4、7、8-PeCDF4.4μgに相当した。
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