研究課題/領域番号 |
01603016
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
仁田 旦三 京都大学, 工学部, 助教授 (40026266)
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研究分担者 |
磯嶋 茂樹 住友電気工業, 大坂研究所, 主査
白井 康之 京都大学, 工学部, 助手 (60179033)
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キーワード | 超伝導応用 / 磁気式伝電導スイッチ / スイッチング特性 / 冷却端安定性 |
研究概要 |
超伝導マグネットの電源として使用することを目的とした磁気式超伝導スイッチに関して、スイッチの試作し、実験及び理論的に基本特性を把握した。研究成果の概要を以下に示す。 1.設計と試作:スイッチ用超伝導線材の条件は、大臨界電流密度、高臨界温度、低臨界磁場である。その条件より、超伝導材を調査し、比較的に入手が容易なNbー1%Zr/CuーNiをスイッチ用線材とした。また、磁界発生用超伝導マグネットはリアクタンスが小さく均一磁界を発生させる必要があるため、二重ソレノイド型を採用した。 2.基本特性実験:試作超伝導スイッチを用いて、定ゲート電流特性実験とスイッチング過渡特性実験を行った。定ゲート電流特性実験より、超伝導スイッチのオフ抵抗値や磁界発生用マグネットのリアクタンスが、事前に行った理論計算と一致することを確かめた。スイッチング過度特性実験は、スイッチと並列に抵抗を接続した回路を電流源で駆動する簡単な回路で行った。特に注目すべき結果は、スイッチのターンオン現象であり、その時のスイッチの電流は、電流源電流や並列抵抗値に依存せず、スイッチ上の磁界のみに依存することである。この顕著な例として、ターンオンに失敗した場合はスイッチ初期電流に依存せず、常に同じ電流値となる。 3.理論:液体ヘリウムの冷却特性とスイッチの熱発生の平衡条件から、ターンオン過度時においてスイッチが部分的に常電導であることが推定された。そこで、スイッチの臨界特性、液体ヘリウムの熱伝達特性、スイッチ含浸用のエポキシ樹脂の熱伝導特性を求め、それらを総合した理論計算により、この特性が把握され、理論計算と実験結果がよく一致した。また、以上の理論計算を用いて、ターンオン時のスイッチング損失理論計算を行い、実験結果とよく一致した。
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