研究課題/領域番号 |
01603528
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林 真至 神戸大学, 工学部, 助教授 (50107348)
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研究分担者 |
木田 浩嗣 神戸大学, 工学部, 助手 (30186275)
山本 恵一 神戸大学, 工学部, 教授 (80031087)
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キーワード | 半導体 / アモルファス太陽電池 / アモルファス半導体 / キャリア再結合中心 / 深い準位 / 欠陥 / 電流過渡分光法 / 太陽電池 |
研究概要 |
1.何故、半導体の評価が、結晶半導体に対して比較的簡便に且つ有効に適用できるのにも関わらず、アモルファス半導体に対しては適用困難であるかを議論し、各々において評価すべき対象を明確にした。結晶半導体においては、ホ-ル測定により微視的キャリア移動度に直接対応するホ-ル移動度と熱平衝時のキャリア濃度が得られる。非平衝時のキャリア濃度にはキャリア寿命が対応しそれは光伝導度の時間減衰から定まる。その上、そのようにして得られた少数キャリア寿命により、任意の非平衝状態におけるキャリア再結合率が表されるので、結晶半導体においてはキャリア寿命を測定すれば十分であり再結合中心の姿にまで言及する必要性は余りない。一方、アモルファス半導体においては、ホ-ル測定はそのままでは適用できず、光伝導度の時間減衰は一般に時間に対して指数的でないので、キャリア寿命はその値を決定できても、それによりキャリア消滅現象を記述するのには不十分であり、再結合率は複雑である。従って、アモルファス半導体においては、キャリア寿命よりさらに一歩踏み込んで、再結合中心そのものを明らかにする必要がある。 2.アモルファス太陽電池のキャリア再結合中心になり得る局在電子状態を有効に検出する手法として、新たに“電流過渡分光法(CTS)"を開発した。 3.CTSを初めとする深い準位のスペクトロスコピ-において、測定信号は求めるべき局在状態密度分布に一種の変換が施されたものであることに着目し、近似を使わずに、測定信号にその逆変換を数値的に施すことにより局在状態密度分布を求める手法を確立した。 4.それにより、通常には検出困難なエネルギ-・ギャップの中央近辺の局在状態が明らかになった。
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