研究課題/領域番号 |
01604009
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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研究分担者 |
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 講師 (60214037)
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10113424)
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キーワード | グラファイト層間化合物 / フッ素化学 / 高電導性 |
研究概要 |
1.単体フッ素のインターカレーション反応のプロセス 高配向性熱分解黒鉛(HOPG)をホストとしたときのF_21atm下でのインターカレーション反応の過程をHOPGの(002)回折線および生成した化合物の(00l)回折線によって追跡した。50℃〜-20℃の温度範囲では低温ほどインターカレーション反応がすみやかに進行し、-20℃で生成したC_×F最もステージ数が低く(第2ステージ)層間フッ素濃度が高いことが明らかにされた。 2.C_×Fの光反射スペクトルと高電導性の発現 いずれの温度で生成した試料でも、光反射スペクトルには1.8eV付近に明瞭なプラズマ収吸端が観測され、C_×Fは典型的な金属的挙動をとることが示された。C_×Fの電導度の異方性はσ_<ab>/σ_cと非常に大きいことから、この系に対しては二次元バンド構造モデルが適用できる。このモデルを光反射スペクトルに適用することにより種々の物理量を評価した。50℃で生成したC_×Fのキャリヤー濃度は1.31×10^<21>/cm^3、ホール移動度は317cm^2V^<-1>S^<-1>であった。この値をHOPGのそれと比較すると、キャリヤー濃度はほぼ100倍、移動度は1/10であり、結果的に電導度がホストHOPGの10倍になることが明らかにされた。 3.新化合物C_×CrF_u 不揮発性フッ素化合物から無水HF溶液中でグラファイト層間化合物(GIC)を合成する反応系として、磁気的な性質が興味深いフッ化クロムを層間化学種とする新たなGICの合成を試みた。CrF_4とCrF_5をHRに溶解させ、この溶液にHOPGを2〜3日間放置する置換的インターカレーションによって、層間化学種の厚みdi=4.69Åとする深青色の第2ステージ化合物C_<16.7>CrF_<4.6>が得られた。このGICは常磁性を示し磁気的な異方性がないことが明らかにされた。
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