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1989 年度 実績報告書

細胞の付着及び増殖を制御する材料の設計と合成

研究課題

研究課題/領域番号 01604529
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

今井 庸二  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013975)

研究分担者 門磨 義則  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00092403)
キーワード細胞の付着 / 細胞の増殖 / ポリウレタン / ポリジメチルシロキサン / ポリチオエ-テル
研究概要

医用材料として実用的に重要であるポリウレタン(PU)の化学構造と細胞の反応の関係についてはまとまったデ-タはほとんどないといってよい。そこで今年度は、PUの原料であるジイソシアナ-ト、ソフトセグメントを種々変えたPU15種類を合成し、それらのフィルムを作製し、昨年度までと同様にして、その上で上皮性の株化細胞Ca.9.22を培養し、細胞の付着性、増殖性を調べた。ジイソシアナ-トとして、ジフェニルメタンジイソシアナ-ト(MDI)、フェニレンジイソシアナ-ト、トリレンジイソシアナ-トを用いたが、この3種から得られるPUに対する細胞の反応はほぼ似たようなものであった。このような芳香族ジイソシアナ-ト及びポリテトラメチレングリコ-ル(PTMG)を用いる範囲内では、細胞からみて性質が大きく異なるものを合成するのは困難であると思われる。
ソフトセグメントには、通常用いられているPTMGのほかに、耐劣化性の点で期待できるポリジメチルシロキサン(PDMS)、1,4-ブタンジオ-ルとチオジェタフ-ルから合成した硫黄を含むポリチオエ-テルも試みた。PDMSを含むPUでは、疎水性のPDMSを導入することにより、それを含まないものに比べて細胞の付着率が半分以下に低下し、細胞を付着しにくくするのに大きな効果が認められた。一方、チオエ-テル結合を導入することにより、細施培養用シ-トとして市販されている対照用試料よりも付着率が大きくなり、細胞を非常によく付着させるような大きな効果が認められた。このチオエ-テル結合をソフトセグメントに含むPUにかかる付着率の大きさは、PUとしては異常ともいえるほどの値であり、また通常の高分子としても例外的に付着率が大きいということができ、細胞が非常に付着しやすい貴重な新しい合成高分子を見い出すことができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 門磨義則: "セグメント化ポリウレタンの生体内埋植後の性質の変化" 人工臓器. 18. 119-122 (1989)

  • [文献書誌] 今井庸二: "水環境下におけるポリウレタンの劣化" 医用器材研究所報告. 23. 41-47 (1989)

  • [文献書誌] N.Minoura: "The interaction of cultured cells with membranes composed of random and block copolypeptides" Journal of Biomedical Materials Research. 23. 267-279 (1989)

  • [文献書誌] 今井庸二: "ポリウレタンの合成とその生体適合性の評価" 人工臓器. 19. (1990)

  • [文献書誌] 門磨義則: "生体内埋植による医用ポリウレタンCardiothaneの性質の変化" 人工臓器. 19. (1990)

  • [文献書誌] 今井庸二: "高分子材料と培養細胞との相互作用" 細胞工学. 8. 205-211 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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