研究課題/領域番号 |
01606005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
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研究分担者 |
加藤 重樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (20113425)
伊藤 公一 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70029403)
鷲田 伸明 環境庁国立公害研究所, 大気環境部, 室長 (70101045)
籏野 嘉彦 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016121)
広田 襄 京都大学, 理学部, 教授 (90093301)
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キーワード | ラジカルイオン / 共鳴ラマン / 磁気共鳴 / 励起三重項状態 / パルスラジオリシス / イオン分子反応 / 多重項分子 / 電子移動反応 |
研究概要 |
研究代表者および上記分担研究者5名の代表的な研究の実績の概要は下記の通りである。 志田:前年度にひき続いてラジカルイオンの共鳴ラマン分光と電子吸収スペクトルの実測データを比較し、KramersーKronig変換を用いた解折法によって電子励起状態における構造パラメーターと電子緩和に関する速度を見積ることができた。この研究に関連して電子励起前後での基準振動の混合、いわゆるDuschinsky回転の寄与の見積りを試み、ビノキシラジカルについて明確にDuschinsky効果があらわれることを確認した。 フッ化メチルのラジカルカチオンのESRスペクトルは顕著なヤーン・テラー効果のため解折が困難であったがメチル基の一つのプロトンを重水素置換することなどによってほぼ完全に実測スペクトルを解折した。 広田:^3nπ^*と^3ππ^*が近接する4ーシアノピリジンなどについて時間分解EPR法により零磁場分裂定数・超微細結合定数などを決定しその結果から励起三重項状態では強い振電相互作用により分子構造が歪むことを明らかにした。 籏野:パルスラジオリシス法を用いた実験により液体の希ガスや飽和炭化水素中での電子・イオン再結合反応の速度を測定し、古典理論が破緩することを明らかにした。現在、理論的解折を進めている。 鷲田:エチレン・アセチレンなどについてクラスター内のイオン・分子反応を調べ、通常のイオン分子反応では起こらない反応が進行することを明らかにした。 伊藤:ビフエニル型有機高スピン分子についてスピン整列機構を検討した。実測のESR・ENDORスペクトルの結果を、HeisenbergおよびHufbardのモデルによって解析した。 加藤:水溶液でのN,Nー(ジチメチル)アミノベンゾニトリルの光励起による電子移動反応などの動力学的解析を行った。
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