研究課題/領域番号 |
01610001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
角皆 静男 北海道大学, 水産学部, 教授 (00001587)
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研究分担者 |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
加藤 義久 東海大学, 海洋学部, 助教授 (00152752)
才野 敏郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60126068)
増沢 敏行 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (40023858)
乗木 新一郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80109511)
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キーワード | 海底境界層 / 深層物質循環 / 深層海水循環 / 堆積物 / 間隙水 / セジメントトラップ / 沈降粒子束 / 化学物質 |
研究概要 |
セジメントトラップを主な手段として得た知見を基に「Vertival Change Index,I_M」というパラメーターを定義して、海洋での化学物質の除去についての平均像を描いた。 1.全粒子束は、深さとともにあまり減らずに海底に達する。 2.その原因は、生物起源のケイ酸塩と炭酸塩の殻が主成分であり、これらが急速に沈降するところにある。 3.有機物は水深1Kmにつき25%程減少するが、海底に達する部分もかなり大きい。 4.カドミウムはほぼ有機物と同じI_M値となり、栄養塩のリンと同様な鉛直分布となる原因となっている。 5.アルミニウムとマンガンの粒子束はそれぞれ深さ100mにつき2.2%と4.7%の割合で増大する。 6.鉄や土壌粒子起源RIのThー232のI_M値はアルミニウムと同程度である。鉄が小さいのは生物との関連を反映したためかも知れない。 7.短寿命RIのThー234のI_M値は全粒子束と同程度である。飽和(収支均衡)の伏態にあるためであろう。 8.海での供給源の小さいThー228は最低のI_M値を示し、沈降する大粒子と懸濁している小粒子の間にかなり活発な交換があることを示している。 9.Thー234とPaー231は最大のI_M値を示すが、これは半減期が長く海水中で事実上壊変しないので可逆的に交換しながら沈降していく間に下層水に蓄積していくことを表している。 10.これに次ぐのがPbー210とPoー210のI_M値である。Thー230より小さい部分を時間に換算すると13年になる。つまり、沈降中に加わってくる小粒子は平均するとこの程度の時間が経っていることを示している。
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