研究課題/領域番号 |
01610007
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
茶圓 正明 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (30041700)
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研究分担者 |
杉ノ原 伸夫 東京大学, 理学部, 助教授 (50090519)
深澤 理郎 東海大学, 海洋学部, 助教授 (10143546)
金成 誠一 北海道大学, 理学部, 教授 (70027233)
竹松 正樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50038535)
前田 明夫 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90013573)
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キーワード | フィリピン海 / 深層西岸境界流 / 係留系 / 海底境界層 / 熱塩循環 / 太平洋モデリング / 底層水 |
研究概要 |
本研究の主目的である深層西岸境界流と海盆への流入水を測定するため、以下のような測流係留系のと設置を行った。平成元年5月中旬、鹿児島大学水産学部練習船敬天丸により琉球海溝北西斜面(RT点)と九州パラオ海嶺北端(CT点)の係留系を回収した。RT点とCT点はともに通算約550日の資料が得られた。同年9月にヤップ、パラオ海溝周辺深海谷部(YP点)の係留系の回収航海を実施したが相次ぐ台風の襲来により、航海の中途で計画を変更、四国海盆に係留系1糸と、分担者である金成誠一の西岸境界底層流計測の係留系を設置した。YP点係留系は同年12月に実施された敬天丸の他目的航海で一部回収した。 これまでの測流による主な成果は以下のようである。フィリピン海盆西端の琉球海溝北西斜面上及びバシー海峡東向き斜面上には斜面を右にみて流れる深層境界流の存在が強く示唆された。その海底上400mの流速は琉球海溝の斜面で4cm/sec、バシー海峡斜面上では1cm/secであった。また、両者の鉛直スケールはともに1500m以上に及ぶことが示唆された。九州パラオ海嶺北端の四国海盆と北奄美海盆をつなぐ水路中では間歇的に強い流れが生じ海盆間に深底層水の輸送が行われていることが示唆された。 海底境界層の計測は前述のごとく現在四国海盆で測定中である。 杉ノ原伸夫による深層循環数値モデリングの研究は、底層水を導入した場合の熱塩循環、西側境界に沿って存在する陸棚斜面効果についての基礎的実験、及びフィリピン海への深、底層水の流入に着目したモデル数値実験が行われた。その結果、非常に小さい密度差とは云え底層水の存在は熱塩循環としての深層循環の様相を大きく変えることが判明した。このことは太平洋モデリングにとって底層水の導入が不可避であることを示唆するものである。
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