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1989 年度 実績報告書

新しい作用機作をもつ抗がん剤の合成と特性

研究課題

研究課題/領域番号 01614510
研究機関東京大学

研究代表者

首藤 紘一  東京大学, 薬学部, 教授 (50012612)

研究分担者 影近 弘之  東京大学, 薬学部, 助手 (20177348)
大和田 智彦  東京大学, 薬学部, 助手 (20177025)
遠藤 泰之  東京大学, 薬学部, 講師 (80126002)
キーワード分化 / 制がん / 遺伝子発現 / ビタミンA / レチノイド / 発がんプロモ-タ- / フォルボ-ルエステル
研究概要

細胞の分化を調節することに基づく制がん性化合物を展開することを目的とした研究を進めた。そのために遺伝子発現を調節することによって分化と制御しているレチノイドについて、構造と活性との関係を明確にした。レチノイドの作用機構については、我々の過去の研究で同定したレチノイドレセプタ-タンパクが、同時にクロ-ニングされたレチノイドレセプタ-遺伝子RARαおよびRARβによって産生されるものか否かの問題に解答を与えた。すなわち、RARαおよびRARβを細胞で発現させ、それらが我々の結合タンパク質RSBP-1およびRSBP-2に対応することを、クロマトグラフ法、ウエスタンブロット法によって確かめ、両m-RNAもHL-60において発現していることを確かめた。こうしてレチノイドレセプタ-の実態が、我々のタンパクRSBP-1およびRSBP-2であることを明らかにした。
細胞の分化・遺伝子発現の制御という活性をもつフォルボ-ルエステルのレセプタ-はタンパク質リン酸化酵素PKCであるとの仮説が決してフォルボ-ルエステルの作用を説明できないことから、真のフォルボ-ルエステルのレセプタ-を探索した。HL-60細胞を用いた。その結果、期待通りに、フォルボ-ルエステルは特異的に結合するタンパク質を細胞質中に見いだした。このタンパクは核には存在しない。しかしながら、細胞をフォルボ-ルエステルで処理すると、このタンパクは核へ移行する。すなわちこのレセプタ-と考えられるタンパクは、同じく分化増殖と関係のあるグルコマルチマイドレセプタ-の様に働いているものと考えている。現在このタンパクの特性の研究と、構造研究へ向けた研究を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 首藤他: "Retinobensoic acid 4 レチノイド活性をもつ芳香族アミドの主体化学" Journal of Medicinal chemistry. 32. 2292-2296 (1989)

  • [文献書誌] 影近他: "Retinoberoic acid 3 レチノイド活性をもつアゾベンゼルカルボン酸" Journal of Medicinal chemistry. 32. 1098-1108 (1989)

  • [文献書誌] 影近他: "ヒト前骨髄球性白血病細胞中のレチノイン酸レセプタ-" Molecular Endocrinology. 3. 1046-1052 (1989)

  • [文献書誌] 橋本他: "レチノイン酸レセプタ-遺伝子の発現" Biochem.Biophys.Res.Com.(1990)

  • [文献書誌] 橋本他: "発ガンプロモ-タ-特異的総合タンパク" Biochem.Biophys.Res.Com.(1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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