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1989 年度 実績報告書

ATLにおけるIL-2受容体発現異常の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01614513
研究機関京都大学

研究代表者

内山 卓  京都大学, 医学部, 助手 (80151900)

キーワードATL / IL-2 / IL-2受容体 / HTLV-I / オ-トクリン
研究概要

本年度は、IL-2受容体β鎖に対する2R-B抗体を用いて、1.IL-2/高親和性IL-2受容体複合体形成に関する基礎的検討、および、2.ATL患者白血病細胞におけるβ鎖発現の解析を行った。1.4℃でIL-2のβ鎖への結合を阻止する2R-B抗体が存在していても、37℃で標識IL-2結合試験を行うと高親和性受容体が検出される。すなわち、IL-2/高親和性IL-2受容体複合体が形成される事実から、その機構を解析したところ、IL-2がまずα鎖に結合して形成されるIL-2/α鎖複合隊が、次いで、β鎖と相互作用することにより、β鎖のIL-2結合部位あるいはその近傍に結合している2R-B抗体を追い出して、安定なIL-2、α鎖、β鎖より成る複合体の形成されることが明らかになった。2.ATL患者末梢血白血病細胞(10例)を用いて、蛍光抗体法+フロ-サイトメトリ-によりβ鎖発現を調べたところ、健常人非刺激CD4(+)T細胞では発現が認められないのに対し、全例でβ鎖の発現を認め、標識IL-2結合試験、クロスリンキング+SDS-PAGEの実験結果とも合わせ、ATL細胞では、α鎖と同様に、β鎖も構成的に異常発現を来たしていることが明らかになった。β鎖異常発現にHTLV-I感染がどのように関係しているかは今後の課題である。さらに、末梢血白血病細胞のIL-2mRNA発現、増殖に対する抗α鎖、抗β鎖抗体の影響を調べたが、大部分の例では、IL-2オ-トクリンの機構が働いていることを示すデ-タは得られなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Taiichi Kodaka: "Expression of Cytokine mRNA in Ieukemic cells from adult T cell leukemia patients" Jpn J Cancer Res. 80. 531-536 (1989)

  • [文献書誌] Tomomi Motoi: "Elevated soluble interleukin-2 receptor(Tac antigen)levels in chronic myelogenous leukemia patients with blastic crisis" Blood. 74. 1052-1057 (1989)

  • [文献書誌] Shigeki Tamori: "1α、25-dihydroxy vitamin D3 enhances the upregulation of IL-2 receptor by IL-2" Acta Haematol Jpn. 52. 996-1003 (1989)

  • [文献書誌] Masanori Kamio: "Selective expression of the p70 subunit of the interleukin-2 receptor on lymphocytes from patients with infectious mononucleosis" Blood. 75. 415-420 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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