研究概要 |
堀内らは複製終結点(terminus;ter)を識別するter結合蛋白を精製し、この蛋白によって大腸菌の3種のヘリカーゼ、DnaB,UvrD,Rep蛋白のの活性が阻害されることを明らかにした。加藤・鈴木らは大腸菌parC遺伝子(染色体地図65分)はDNAジャイレースのAサブユニット(GyrA蛋白)と高い相同性を示す蛋白をコードし、parEはDNAジャイレースのBサブユニットと高い相同性を示すす蛋白をコードすることを発見した。平賀らは、染色体の分配機構に異常があるため無核細胞を放出する変異株を解析し、mukA変異(66分)は膜蛋白をコードするtolC遺伝子の変異であることを明らかにした。また染色体上の21分に存在する染色体分配に関する新しいmukB遺伝子を単離解析してこの遺伝子は、約180KDの蛋白をコードすることを明らかにした。西村(昭)らは大腸菌の高温感受性異株コレクションの中から未同定の細胞分裂異常fts変異株410株を選びだし、これらのfts変異株の地図を完成させた。ftsl遺伝子によってコードされるペニシリン結合蛋白(PBP3)は、膜へ組み込まれるときプロセッシングを受けるが、鈴木、原、鈴木昭憲らは、このプロセッシングはN末端領域の切断ではなく、C末端側のVal^<577>Ile^<578>間で切断されること明らかにした。松橋らは大腸菌の細胞膜、細胞分裂機構に関する遺伝子群のうち主要な4つのmra,mrb,mrd,mre群について、これたに含まれる遺伝子の塩基配列および発現制御機構について解析した。小椋らはpbpA遺伝子の高温感受性変異を解析し、pbpA遺伝子は細胞の桿状形態の維持に必須であるばかりでなく、細胞分裂に必須であることを明らかにした。柳田らは分裂酵母S,Pombeの染色体分配の分子機構の変異株を解析し、disZ変異はI型のプロテインホスファターゼであることを明らかにした。
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