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1989 年度 実績報告書

運動ニュ-ロンの分子と機能に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01623510
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

出口 武夫  (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究室, 参事研究員 (20073059)

研究分担者 川田 明広  都立神経病院, (財)東京都神経科学総合研究所, 医師兼務研究員
市川 友行  (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究室, 主任研究員 (90150193)
石井 加代子  (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究室, 流動研究員 (30193246)
キーワード運動ニュ-ロン / アセチルコリン / コリンアセチル転移酵素 / 遺伝子発現 / 転写調節
研究概要

昨年我々がクロ-ニングしたマウスのコリンアセチル転移酵素(ChAT)のcDNAをプロ-ブとして、マウスの遺伝子ライブラリ-をスクリ-ニングし、ChATの遺伝子DNAをクロ-ニングした。その5'上流領域について解析したところ、5'非翻訳領域が2つのエキソンに分かれて存在することが判った。この領域3.4kbについて塩基配列を決定したところ、プロモ-タ-様配列のほかに、CRE,AP-I結合配列、脳特異的配列などが存在することが判った。その遺伝子がどうしてコリン作動性ニュ-ロンにだけ発現するのか、その細胞特異的発現のメカニズムを明らかにするため、ChAT遺伝子の5'非翻訳領域の下流に標識遺伝子(クロラムフェニコ-ルアセチル転移酵素、CAT遺伝子またはLacZ遺伝子)を結合したのち種々の細胞に導入し、標識遺伝子が発現するかどうかを解析した。コリン作動性細胞であるNG108細胞では遺伝子発現が強く認められたが、非ニュ-ロン系細胞では発現は極めて弱かった。この事実は、ここで用いたChAT遺伝子3.4kbには細胞特異的発現を規定するエレメントが存在することを示している。この領域を5'側から削除したのち発現実験を行なった。その結果、5'上流領域のプロモ-タ-様配列までを削除しても標識遺伝子の発現には変化がなかったが、プロモ-タ-様配列を削除すると全く発現しなくなることが判った。
ついでCRE様配列が機能しているかどうかを調べるため、上記の構成遺伝子を導入した培養細胞をcAMP存在下で培養しCAT活性を測定した。その結果、cAMP誘導体の添加によりCAT活性が上昇し、ことにジブチリルcAMPの添加によりCAT活性が10倍も増加することが判った。この事実はChAT遺伝子のCREが機能していることを示していると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ishii,K.,Oda,Y.,Ichikawa,T.,Deguchi,T.: "Complementary DNAs for choline acetyltransferase from spinal cords of rat and mouse:nucleotide sequences,expression in mammalian cells,and in situ hybridization" Molecular Brain Research. 7. 151-159 (1990)

  • [文献書誌] 市川友行,石井加代子: "コリン作動性ニュ-ロン" 蛋白質・核酸・酵素. 35. 622-629 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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