研究課題/領域番号 |
01625015
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今永 清二 広島大学, 文学部, 教授 (60033502)
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研究分担者 |
矢守 一彦 大阪大学, 文学部, 教授 (00027955)
妹尾 達彦 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (20163074)
私市 正年 上智大学, アジア文化研究所, 講師
片岡 一忠 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (50092515)
鵜川 馨 立教大学, 経済学部, 教授 (70062544)
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キーワード | イスラム都市 / 都市性 / 都市史 / 中東のイスラム都市 / イギリス都市史 / インドの都市 / ラピダス / 中東都市史理論 |
研究概要 |
本研究は、西アジア・イスラム圏の都市、他のアジア地域の都市、また非アジア地域の都市の史的発展を比較検討しつつ、都市の通事的発展を考察するものである。同時に、イスラムの都市性及びイスラム都市の概念を明確化することを目的とする。このような研究目的に即して、本年度、本班の研究者は、他班の研究会、総括班主催の全体会議や「イスラムの都市性」国際会議に出席し、それぞれの専門分野において基礎的かつ理論的研究を行ってきた。また、本班主催の4回の研究会を開き、都市史の理論的枠組、なかんずく「都市史の諸段階」を明らかにすることに努めた。 以下、本班研究会で発表された個別的研究を紹介すると、第1回研究会では「イスラム都市の性格と都市史の諸段階」(私市正年)が報告され、中東のイスラム都市の性格を政治的、経済的、文化的レベルにおいて考察し、それにもとづいて(1)7〜9世紀、(2)9〜13世紀(3)13〜16世紀、(4)16〜19世紀とする都市史の時期区分を設定し、その史的発展を体系的に提示した。また第2回研究会では、「ヨーロッパ都市史の諸段階」(鵜川馨)が報告され、イギリス都市史を例に(1)古代都市、(2)中世都市、(3)近代都市の史的発展段階を設定した上で、各時代の都市の構造や特色が明らかにされた。第3回研究会では、「インドの都市の地域構造」(北川建次)が報告され、インドの都市の発展段階を(1)インダス文明時代、(2)古代ヒンドゥー文化時代、(3)中世ムガル時代、(4)植民地時代、(5)近代、(6)現代として提示された。さらに第4回研究会では「ダマスクス史再考」(三浦徹)が報告され、ラピダスの中東都市史理論が細部にわたり紹介された。これらの研究を通して、都市の通事的発展を考察する研究が進められた。その他にも多くの研究報告及び活発な論議が行われ、イスラムの都市性解明に迫まる基礎作業が進められた。
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