研究課題/領域番号 |
01626007
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
鯨岡 峻 島根大学, 教育学部, 教授 (50032602)
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研究分担者 |
大石 益男 国立特殊教育総合研究所, 聴覚言語障害教育研究部, 研究室長 (10168859)
津守 真 日本総合愛育研究所, 特別研究員
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キーワード | コミュニケーション障害 / 間主観的把握 / 障害の構造 / 先取り的関与 / 障害の受容 |
研究概要 |
(1)家庭での母子コミュニケーション関係の観察とコミュニケーションの基底構造のモデル化に向けての研究(鯨岡) 前年度に引き続き、2組の健常母子の生後半年から最初の誕生日前後までの関わり合いを追跡調査し、それを基礎資料としてコミュニケーションの基底構造のモデル化に取り組み、成果発表として取りまとめた。そのモデルでは、関与者による子どもの気持ちの間主観的な把握と、それに基づく先取り的関与がコミュニケーション関係を主として動かしている点に焦点が合わされており、今後、障害母子の指導場面などでの検証が期待される。 (2)教師ー子どもの日常的な関わりの記述と分析(津守) 基本的には前年度の研究の継続で、対象児を決めて教師ー子どもの関わり合いをビデオに録画する一方、担当教師がその関わり合いを内省的に記録するという形でデータを蓄積した。そのデータは(1)関係がどのように円滑になったか(2)教師がその関係をどの程度楽しめるようになったか(3)教師はどこで疎外感を意識していたか、の3点から分析された。 (3)教師・保母の内省記録と指導日誌の分析(大石) 関係の障害構造を探るという観点から、特に障害児の指導に当たる教師や保母が、子どもをどのように受け止めているか、自分の指導をどのように見ているかを、教師・保母自身の内省記録および指導日誌の分析を通して明らかにした。また、養護学校教員および保母を対象に合宿セミナーを開催し、上記の観点からの参加者の報告を「報告集」として取りまとめた。 なお、班全体の活動としては公開シンポジウム「コミュニケーション障害と疎外意識の問題」を企画、開催し、報告集を印刷、発行した。
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